実業務でも使えるか? 今アツいDocker運用管理製品/サービス15選まとめ:Docker運用管理製品/サービス大全(1)(1/2 ページ)
数多く台頭しているDockerの運用管理に関する製品/サービスの特長、使い方を徹底解説する特集。初回は、紹介するDocker運用管理製品/サービスの概要と比較表を提示する。
主要なDocker運用管理製品/サービス一覧
コンテナー仮想化技術であるDockerは、2014年のバージョン1.0リリース以降に急速にユーザーが増えています。
日本におけるエンタープライズ事例はまだ少ないですが、企業内の個人利用から開発環境や試験環境での活用などは進んでおり、Dockerの運用管理をキーワードとするクラウドサービスやサードパーティのツールなども数多く出始めてきました。
Google Cloud Platform(以下、GCP)やAmazon Web Services(以下、AWS)など、DockerコンテナーをSaaS型で提供するサービスや、Dockerの主要コンポーネントとして拡張が進んでいるツール群、Docker環境のモニタリングに特化したものなどがあります。
ただ、「Dockerの運用管理」といっても数多くの、そしていろいろな分野のサービス・ツールが台頭してきています。そのため、ユーザーはDockerという新しい可能性の技術に対して、どのような運用が必要か、そしてどの製品でそれをカバーできるのかを把握するのが難しい状況です。
本特集では、次の主要なDockerの運用に関する製品/サービスを実際に触れてみて、その機能や位置付けなどを比較評価します。
- Docker Machine、Docker Swarm、Docker Compose(Docker M&S&C)
- Docker Kitematic
- Amazon EC2 Container Service
- AWS Elastic Beanstalk
- Google Container Engine
- Kubernetes
- flannel
- cAdvisor
- Shipyard
- Seagull
- Panamax
- Datadog
- New Relic
これらの製品/サービスを提供形態、動作構成、設定情報、ユーザーインターフェース、管理・操作性、監視・通知機能の有無、セキュリティ、費用の発生有無などの観点で一覧化してみましたので、参考にしてください。
なお、実機評価は2015年5月〜7月上旬の期間のため、一部古い情報が含まれている可能性があります。Kubernetesはver1.0が2015年7月下旬にリリースされています。
他にも、ビルドからイメージ管理までの広範囲をカバーするOpenShiftや、Docker環境での障害検知から性能管理、ジョブ管理も可能とするHinemosといったものもあります。
Docker運用管理製品/サービスの5分類
「Dockerの運用管理」という表現は幅広いので、これらの製品/サービスを機能範囲の種別でカテゴライズすると、次の五つに分類できます。上記表の「種別」がこの分類になっています。
- オーケストレーションツール
Dockerコンテナーのオーケストレーション、つまりDockerコンテナーを基盤とするアプリケーションやミドルウエア、サービスの配備/設定/管理の自動化を行うことを目的とするツールです。
- クラスタリングツール
Dockerコンテナーのクラスター化を行うツールです。
- ネットワークツール
Docker単体だとマルチホスト間のネットワークの部分が課題に挙がるため、これをカバーするツールです(最近では、Docker本体に「libnetwork」というネットワーク機能の組み込みが進められています)。
- 監視ツール
Dockerコンテナー、Dockerホストの環境のモニタリングツールです。
- ユーティリティ
Dockerを扱う上での各種便利ツールです。上記のいずれにもカテゴライズが難しいものを表します。
次ページからは、特集で今後取り上げる製品/サービスの概要と特長を筆者の主観でまとめています。
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