高校生×IT “アプリ開発サマーキャンプ”で高校生プログラマーが学んだ、アイデアをより良いカタチにする方法:プログラミング異種格闘インタビュー(3)(2/3 ページ)
異業種、異職種ながら、ITやプログラミングで世の中を良くしていこうとチャレンジしている人たちへのインタビューシリーズ。第三ラウンドのテーマは「高校生×IT」だ。
初めてのプログラムは「リバーシ」
羽渕彰博(以降 ハブチン) お久しぶりです。2014年のサマーキャンプ以来ですね。
佐藤敦也さん(以降 佐藤) お久しぶりです。今回はチューターとして教える側に回れて、うれしいです。でも高校生のみんなを見ていると、自分も開発したくなってしまいますね(笑)。
ハブチン プログラミングは、もともと好きだったのですか?
佐藤 いえ。実は子どものころは、ものすごい機械音痴でした。高校に入るまでは、PCもあまり使ったことがなくて、学校の授業では、プログラミングするというよりは、コードを丸暗記してその場を凌ごうとしていました。
ハブチン そうなんだ(笑)。それなのになぜプログラミングが好きになったのですか?
佐藤 きっかけはiPhoneのゲームでしょうか。ゲームで遊んでいて、自分でも作ってみたくなったんです。いきなりiOSアプリは難しかったので、まずは試しにエクセルのVBA(マクロ)でプログラミングして、リバーシを作りました。それが高校2年生の冬くらいでした。
ハブチン 実際に作ってみてどうでしたか?
佐藤 すっごく楽しかったです! それからは1日に3000行くらい書いて、気が付いたら深夜になっていたり。
ハブチン 目覚めたわけだ(笑)。
キャンプは一人でするものではない、みんなで作り上げるものだ
佐藤 3年生になっても、受験生なのにずっとプログラミングしていました。そんなときにサマーキャンプのことを知って、高校2年生が参加する研修でしたけれど、そんなのお構いなしに応募しました。
ハブチン 確かに、参加者20人中3年生は2人だけでしたものね。
佐藤 勢いよく申し込んだものの、2人だけだったのはさすがに僕も焦りました。他は全員2年生だったので「本当に友だちができるのか。もし3日間、1人で浮いてしまったら、ちょっとつらいなぁ」と思いました。
ハブチン でも、全然問題なく打ち解けていましたよね?
佐藤 アイデアワークショップで、同じアプリを作りたい人たちでチームを組んだので、自然に打ち解けられました。
ハブチン そこで生まれたのが、「ハブチンぽっちゃん」ですね。僕(ハブチン)を川に突き落としてストレス発散するゲーム。
岐阜県から「岐阜県の地域活性化に関するテーマでアプリを考えてください」と言われていたのに、岐阜とは全く関係ないアプリだったので、最初にアイデアを聞いたときは、さすがに焦りましたよ。
佐藤 すごくふざけて考えました(笑)。ハブチンさんが「キャンプまで来て、優等生にならなくていい、バカでも大歓迎」と言ってくれたので、自分たちが面白いと思うことを追求できました。
ただ、一番ふざけたアイデアを考えた分、開発は一番頑張ろうと思いました。メンバーに「プログラミング」「デザイン」「素材収集」など担当を割り振って、開発に当たりました。
そのときに、コミュニケーションや人間関係を大切にすれば、何でもできることを学び、自分一人で開発しようとすると開発力は限られてしまうけれど、いろんな人の話を聞いたり議論したりする中で、アイデアがカタチになっていくことを体験しました。
ハブチン アイデア段階では焦りしか感じなかったのだけれど、アプリとしてカタチになったのを見たとき、感動して言葉に詰まってしまいました。アプリを特定の人にフォーカスして作るという発想が斬新でしたし、何よりメンバーが楽しそうでした。僕はあらためて確信しました、「バカ大歓迎」だって(笑)。
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