ガチのゲーマーがITエンジニアを夢見るようになるまで:Go AbekawaのGo Global! アジズさん From サウジアラビア(前編)(1/2 ページ)
ファミコン、スーパーファミコン、セガサターン、プレイステーション――私は、ほぼ全てのゲーム機器を制覇してきた生粋のゲーマーでした。
グローバルに活躍するエンジニアを紹介する本連載。今回はフィグニーでXR(クロスリアリティー)エンジニアとして活躍しているAziz Alnasser(アジズ・アルナサ)さんにお話を伺う。日中は暑くて外で遊べないので、家の中でゲームをしていたというアジズさんは、どのような学生時代を経てエンジニアになったのだろうか。
聞き手は、AppleやDisneyなどの外資系企業でマーケティングを担当し、グローバルでのビジネス展開に深い知見を持つ阿部川“Go”久広。
サウジアラビア→オーストラリア→日本
阿部川“Go”久広(以降、阿部川) 母国語は何語ですか?
Aziz Alnasser(アジズ・アルナサ、以下アジズさん) アラビア語です。日本語、英語、アラビア語を話せます。英語は小学生の頃から第二外国語として学んできました。(日本語で)インタビューは日本語でも大丈夫ですよ。
阿部川 おおお、素晴らしい。でも今日は英語にしようかな。まずは、基本情報を教えてください。
アジズさん サウジアラビアで生まれ育ち、オーストラリアの大学院で学び、7年前に来日しました。
アジズさん サウジアラビアのふるさとは、メディーナという静寂で美しい街です。メッカと並ぶ、イスラム教の聖なる都市の一つです。歴史的なモスクや文化遺産が多く、世界中から巡礼者がやってきます。ですからメディーナは、サウジアラビアと世界中のさまざまな国の豊かな文化や食文化などが混ざり合っています。多くの巡礼者のおかげといっていいと思います。
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阿部川 アジズさんは、イスラム教徒ですか?
アジズさん はい、私は生まれてからずっとイスラム教徒です。両親もイスラム教徒ですから、小学校に入った頃から一緒にモスクでお祈りをしていました。
阿部川 イスラム教徒の方は1日に何回かお祈りをなさるのですよね。お祈りのためには、特別な道具や場所が必要なのでしょうか。
アジズさん 私たちイスラム教徒は、1日に5回お祈りをささげます。1回のお祈りは5分から10分程度です。お祈りをささげる場所は、モスクでももちろん大丈夫ですが、近くにモスクがない場合は、小さな部屋やオフィスなど、清潔で騒音のない場所であれば基本的にどこでも大丈夫です。
生粋のゲーマー
阿部川 幼い頃はどんなお子さんでしたか。
アジズさん 内向的なところと外向的なところのどちらも持ち合わせた子どもだったと思います。友達と一緒に家の近くで自転車を乗り回したり、遠足ではしゃいだり。でもシャイなところもあって、1人でビデオゲームをやることも多かったです。
当時からゲーマーで、ファミコン(ファミリーコンピュータ)が最初のゲーム機器でした。10歳くらいの頃、成績が良かったことのご褒美として、父が買ってくれました。最初のファミコンは使っているうちに壊れてしまって、そうすると次、また壊れて次と、スーパーファミコンやセガサターン、プレイステーションを次々と買ってもらい、当時出ていたほぼ全てのコンシューマー向けゲーム機器を制覇しました。
阿部川 当時のサウジアラビアで、子どもがビデオゲームをすることは一般的だったのですか。
アジズさん はい。子どものいるサウジアラビアの家庭では、少なくとも1つ以上のゲーム機器があったと思います。
サウジアラビアはとても暑くて、夏だと日中はすぐに40度以上になります。日中に外で遊ぶことはけっこう危険なので、多くの子どもたちは家の中でゲームなどをして遊びます。最近の正確な統計は分かりませんが、若い人たちの多くはビデオゲームをした経験があると思います。
阿部川 でもサッカーもやるんですよね。
アジズさん はい、多くの子どもがサッカーをします。私はバスケットや自転車で走り回ることもよくありました。ただ日中は暑いので、夕方の5時や6時などの日が沈んだ後の時間に遊ぶことが多かったです。
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