検索
連載

知っておいて損はなし! Office 2016からのダウングレード方法山市良のうぃんどうず日記(51)(2/3 ページ)

Office 2016が正式提供されてから1カ月以上が経過しました。この1カ月間でOffice 2016の更新プログラムの配布と更新ブランチの関係について見えてきたことがあるので、皆さんに共有したいと思います。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena

筆者が体験した二つの更新タイミング

 筆者が確認した限り、Office 2016のリリース時のバージョンは「16.0.4229.1024」でした。その後、10月末までに「16.0.4229.1029」(おそらく9月末リリース)と「16.0.6001.1034」と2回の更新がありました。

 筆者にはOffice 2016の環境が複数台ありますが、PCによって更新タイミングが異なることに気が付きました。10月末までに「Office 365 Solo」がインストールされたPCは、二つの更新バージョンが配布されました。

 「Office 365 ProPlus」がインストールされたPCは、二つの更新バージョンが配布されたものと、「16.0.6001.1034」が始めての更新バージョンであったものに分かれました。

 もう一つ、MSDN(Microsoft Developer Network)サブスクリプション版のOffice Professional 2016がインストールされたPCもありますが、こちらはリリース時が「16.0.4266.1003」で、「16.0.6001.1034」が始めての更新バージョンでした。

 この更新バージョンの提供タイミングの違いに気が付いたのは、10月中旬までに「16.0.4229.1029」に更新されているPCと、リリース時のままで最新バージョンといわれるPCの二つがあったことでした。いろいろと試してみたところ、どうやら提供タイミングの違いは、更新ブランチの違いからくるものと分かりました。

 筆者のOffice 365 ProPlusで「16.0.4229.1029」が配布されなかったのは、Office 365のポータルから「先行リリースオプション」を使ってインストールしたものです(画面3)。もう1台の「16.0.4229.1029」が配布されたものは、「Office展開ツール」で更新ブランチを「CB(Current)」に明示的に指定してインストールしたものです。更新ブランチは、Office 2016のグループポリシーで変更することもできます(画面4)。

画面3
画面3 10月21日時点でバージョン「16.0.4229.1024」が最新といわれたPCは、先行リリースの更新ブランチ「First Release for Current Branch for Business(FR CBB)」
画面4
画面4 Office 2016の「分岐の更新」ポリシーで更新ブランチを「CB(Current)」に変更したところ、バージョン「16.0.4229.1029」への更新が始まった

 Office 365 Soloは、短いサイクルで新機能やセキュリティ更新が提供される「Current Branch(CB)」です。Office 2016のパッケージ(POSA)製品や企業向けのOffice 365 Business、Office 365 Small Businessも同様にCBです。

 Office 365 ProPlusサブスクリプションとOffice 365 Enterprise E3/E4サブスクリプションで提供されるOffice 365 ProPlus製品は、既定が「Current Branch for Business(CBB)」です。

 Office 365 ProPlusのCBBはまだ始まっておらず、2016年2月に開始される予定です。すでにお使いのPCにOffice 365 ProPlusがインストールされているとしたら、Office 365の管理者によって、先行リリースである「First Release for Current Branch for Business(FR CBB)」で提供されたものか、Office展開ツールでインストールされたものでしょう。

 筆者は、「CBは新機能がすぐ提供される」「CBBはCBでの検証後に新機能が提供される」と認識していました。しかし、実際は新機能以外の更新プログラムに関しても、CBで検証後にCBBで提供という手法が採られているようです。

 Office 2016へのアップグレードを検討している企業には、CBのパッケージ製品やサブスクリプションよりも、安定したバージョンが提供されるCBBのOffice 365 ProPlusをお勧めします。Office 365 ProPlusを利用できるサブスクリプションをご利用中なら、急いでアップグレードせずに、CBBが始まる2016年2月まで先行リリース(FR CBB)を別環境でテストしておくとよいでしょう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る