“Hyper-Vの中のHyper-V”で仮想マシンを動かす:vNextに備えよ! 次期Windows Serverのココに注目(33)(1/3 ページ)
Hyper-V仮想マシンは物理コンピューターと同じように動作しますが、できないこともあります。その一つが、Hyper-Vの中で別のハイパーバイザーを実行することです。Windows Server 2016では、ついに“Hyper-Vの中でHyper-Vを実行できる”ようになる予定です。
現在のHyper-Vは、仮想マシンの中でHyper-Vを動かすことができない
「Hyper-V」はWindows Server 2008で初めて登場した、マイクロソフトの仮想化テクノロジです。Windows 8からは64ビット版のProおよびEnterpriseエディションに、Hyper-Vのサブセットである「クライアントHyper-V」が搭載されました。
サーバー版のHyper-Vの最新バージョンは、Windows Server 2012 R2およびMicrosoft Hyper-V Server 2012 R2に搭載されているものです。クライアントHyper-Vは、64ビット版のWindows 10 Pro/Enterprise/Educationエディションに搭載されているものが最新になります。
Hyper-Vは物理ハードウエア(プロセッサー)のすぐ上にロードされ、プロセッサーの仮想化支援機能(Intel VTまたはAMD-V)を使用して動作する、ハイパーバイザー型の仮想化テクノロジです。そのため、Hyper-Vが動作するためには、Intel VTまたはAMD-Vに対応した“物理”ハードウエアが必要になります(図1)。
仮想化技術の先駆者であるヴイエムウェアの製品(ESXi、Workstation、Fusion、Player)では、仮想マシン内でヴイエムウェアやHyper-Vのハイパーバイザーを実行することができます。オーバーヘッドが大きいため実運用環境向けではありませんが、テスト環境などで利用するには便利な機能です。
対して現在のHyper-Vでは、Hyper-Vを含む、いかなるハイパーバイザーを動かすこともできません。例えば、Hyper-Vの仮想マシンにWindows Server 2012 R2や64ビット版のWindows 10をゲストOSとしてインストールして「Hyper-Vの役割」を有効化しようとしても、“ハイパーバイザーが既に実行されています”と警告され、有効化できません(画面1)。これは、Hyper-VがベースであるMicrosoft AzureのIaaS(Infrastructure as a Service)環境も同様です。
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