トレンドマイクロとユビキタス、IoT向けセキュリティソリューションを共同開発:家庭内ネットワーク、自動車、クラウドサービスのセキュリティを共同で
トレンドマイクロとユビキタスは、IoTに向けたセキュリティソリューションを共同開発する。自動車向けセキュリティも共同研究する。
トレンドマイクロとユビキタスは2015年11月16日、IoT(Internet of Things)に向けたセキュリティソリューションを共同開発すると発表した。協業するのは、具体的には次の3分野である。
(1)IoT関連の管理装置に組み込む「セキュリティソリューションのソフトウエア開発キット(SDK:Software Development Kit)」の共同開発
(2)セキュアなIoTクラウドプラットフォームの構築
(3)自動車向けセキュリティの共同研究
一つ目の「IoT関連の管理装置に組み込む『セキュリティソリューションのSDK』の共同開発」は、ユビキタスが提供するIoTデバイスと管理装置が通信するためのスマートホーム関連技術と、トレンドマイクロのIoTデバイスを保護するセキュリティ技術「Trend Micro Smart Home Network」を組み合わせて、管理装置を製造・提供する事業者に提供するもの。スマートテレビやエアコン、給湯器といった住宅設備機器などの家庭内IoTデバイスを家の外から遠隔操作する際や、家庭内の電力使用状況を把握する際に必要な管理装置(ホームゲートウエイ)に組み込むセキュリティソリューションを共同開発し、SDKとして提供する。
事業者はこのSDKを利用することで、家庭内IoTデバイスの脆弱(ぜいじゃく)性を悪用する攻撃やウイルス感染を防ぐ機能を管理装置に実装できる。なお、同SDKを利用して開発した管理装置を2016年1月に米ラスベガスで開催されるCES(Consumer Electronics Show)期間中に、トレンドマイクロの特設ブースで参考展示する予定だという。
二つ目の「セキュアなIoTクラウドプラットフォームの構築」では、ユビキタスが提供するIoTクラウドプラットフォーム「dalchymia(ダルキュミア)」に、トレンドマイクロの総合サーバーセキュリティ対策製品「Trend Micro Deep Security」を導入することで、外部からの不正アクセスや、脆弱性を悪用する攻撃を防ぎ、IoTクラウドプラットフォームをセキュアに保つ。また、前出のIoT関連の管理装置とIoTクラウドプラットフォームを連携させることで、安全なIoT環境を短期間で構築するという。
そして三つ目の「自動車向けセキュリティの共同研究」では、次世代の自動車に求められるセキュリティ技術とそれを活用したセキュリティソリューションを共同研究する。
さらに両社では、今回の協業を契機に、IoTデバイスやIoTクラウドプラットフォームに加えて、IoT環境での安全な通信やデータの保護の実現に取り組むとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- IoT時代はイグノーベル賞デバイス、弁当箱、妖怪、ナデラブル、食べラブルがネットとつながる
おばかアプリとIoTが出会った夢のシンポジウムの模様をリポート。IoTの先駆者たちが3Dプリンター、Raspberry Pi、Arduino、LeapMotion、Bluetooth Low Energy、クラウド、機械学習やさまざまなセンサーなど最高の技術を無駄使いし、おばかな用法を語り合った。 - 冷蔵庫は「無実」――スパム発信元を調査
「インターネットにつながったスマート家電から75万通以上のスパムメールが発信された」という報道に関して、シマンテックは2014年1月27日、実際に感染していたのは同じホームネットワーク内のWindows搭載PCであり、冷蔵庫は「無実だ」とするブログを公開した。 - ITとIoTのセキュリティ、一文字違いで大違い
大きな期待を集めながら、一方でセキュリティリスクが懸念される「IoT」。IoT特有の事情により、ITの世界におけるセキュリティベストプラクティスをそのまま適用できないこともあります。 - トレンドマイクロの3C戦略、2015年は……
トレンドマイクロは2015年3月25日、企業向けの事業戦略説明会を開催した。2015年はこれまでの「3C戦略」の延長線上で、新たにいくつかのサービスを提供する。その目的は。 - 自動車もサイバー攻撃の対象に?
自動車の安全性といえば、「いかに事故を起こさないか」という点に着目してきました。自動車が進化するにつれ、「セキュリティ」も必要になってきたようです。