オラクルがライトユーザー向けBIのSaaS「Oracle Data Visualization Cloud Service」を展開:業務部門が使いやすいシンプルなデータ分析サービス
オラクルがライトユーザー向けBIのSaaSを発表。シンプルなSaaSだがハイエンドなBI環境と同じUIコンテクストで利用できる点がポイントだ。
日本オラクルは2015年12月21日、クラウド型アナリティクスサービス「Oracle Data Visualization Cloud Service」を発表した。Database Cloud Serviceなどを使わなくてもデータをインポートして簡単にビジュアル分析を行えるSaaS(Software as a Service)だ。
もともとオラクルでは「Oracle Business Intelligence Cloud Service(BI Cloud Service)」という、バックエンドにOracle Databaseを利用するBIサービスを提供しているが、今回発表されたOracle Data Visualization Cloud Serviceは、「さらにライトな利用を想定したSaaSとして位置付けられている」(日本オラクル クラウド・テクノロジー事業統括 クラウド・テクノロジー製品戦略統括本部 Cloud/Big Data/DISプロダクト本部 本部長 佐藤裕之氏)という。
バックエンドでデータ管理のシステムを持つことなく、気軽に業務部門が利用できるようになっており、アップロードしたデータの権限管理などもSaaSアカウントにひも付いていることから、管理も至ってシンプルに使い始めることができる。
Oracle Data VisualizationとOracle BI Cloud ServiceやOracle Big Data Discovery Cloudとの関係 もっともエントリ寄りのシンプルなツールとして利用でき、より大規模な環境でも同じUIコンテキストの中で利用を継続できる
単独で利用できる一方で、BI Cloud ServiceとはUIの共通化が図られており、必要があれば組み合わせて利用することもできる。例えば、ERPなどから取得したデータをBI Cloud Serviceで扱いながら、同時にOracle Data Visualization Cloud Serviceを介して任意のデータをアップロードし、両者を掛け合わせた分析も同じUIで実現できる。
発表に際し、日本オラクル 執行役副社長 クラウド・テクノロジー事業統括 三澤智光氏は「クラウドとオンプレミスとを共通のアーキテクチャで、クラウドに出すだけでなく、オンプレミスに戻しても問題がない環境を作るために、10年間をかけてコードを書き換えてきた」と説明。
「TableauのようなセルフサービスBIが注目を集めているが、クライアント型ゆえのデータガバナンス面での課題もある。Oracle Data Visualization Cloud Serviceの場合はSaaSであり、サービスのバックエンドは実績のあるオラクルの“エンジニアドシステム”が支えている」(三澤氏)
三澤氏は現時点での明言を避けたが、オラクルが提供するOracle Cloud全体の特徴でもあるパブリッククラウド/オンプレミスで共通アーキテクチャの製品を持つ利点を考えると、将来的なオンプレミスのデータベースや周辺製品との連携の可能性も考えられる。同製品の導入をきっかけとした、ユーザーの裾野拡大もあり得るだろう。
同サービスは、1ユーザー当たり月額1万8000円(5ユーザーから)。一度にアップロードできるファイルサイズは50Mバイトまで、全体で50Gバイトまで(いずれも現段階の上限)。
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