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Raspberry Pi 2のインストールとMinecraftの始め方を初心者向けYouTube実況動画で解説マイクラで始めるプログラミング入門(1)(1/3 ページ)

本連載では、子どもたちに大人気のゲーム「Minecraft」を題材にYouTube実況動画付きで「プログラミング」を学んでいく。初回は、MinecraftとRaspberry Piの概要を紹介し、Minecraftを動かすまでのチュートリアルを実況動画付きでお届けする。

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2016年、Minecraftで子どもと一緒にプログラミングを始めてみよう

 本連載「マイクラで始めるプログラミング入門」では、子どもたちに大人気のゲーム「Minecraft(マインクラフト、マイクラ)」を題材にYouTube実況動画付きで「プログラミング」を学んでいく。具体的には、小型PC端末Raspberry Pi(ラズベリーパイ、ラズパイ)上でビジュアルプログラミング環境である「Scratch(スクラッチ)」からMinecraftを操作する方法を解説する(図1)。

 Scratchを使ったMinecraftプログラミングでできることは、ほとんどがブロックの操作なので、「変数」「乱数」「座標値」「イベント」「繰り返し」の使い方の勉強になるはずだ。

 初回である本稿では、MinecraftとRaspberry Piの概要を紹介し、Minecraftを動かすまでのチュートリアルを実況動画付きでお届けする。


図1 Raspberry Pi上でScratchからMinecraftのプログラミングをしているところ

大人でも知っておきたい、Minecraftとは

 今、子どもたちの間でMinecraftというゲームが大人気なのはご存じだろうか(参考:小学生にブーム「マインクラフト」 口コミとYouTubeでじわり拡大 その魅力とは)。主人公がブロックで作られた世界に一人で放り出され、木を伐採したり、石を削ったり、野菜の種など、いろいろなアイテムを取得していく。

 取得したアイテムで、家を作ったり、テーブルを作ったり、野菜を育てたり、家畜を飼育したりしていく。

 ブロックの世界には昼と夜が交互に訪れ、夜になるとゾンビなどの怪物が現れ、怪物に襲われるとHP(Hit Point)が減って死んでしまう。そのため、夜は家の中に身を隠しておく必要がある。

 Minecraftは、このような厳しい世界で、主人公がいかにして知恵を絞り生きていくかを試すゲームだ。もちろんゲームの「クリア」という概念は存在しない、いわゆる「SandBox(サンドボックス、砂場)型ゲーム」だ。主人公が死ぬことはあるが、死んでも、そこから再度ゲームのやり直しが可能となっている。

Minecraftの種類

 このMinecraftは、Mojang社からリリースされており、PCやMac(OS X)版を中心に、Android、iOS、Windows Phone、Xbox 360/Xbox One、プレイステーション3/4、PS Vita、Wii U用などが販売されている。Minecraftのスマートフォン向けアプリは「Minecraft PE(Pocket Edition)」と呼ばれている。

 筆者はWindows版を購入したが、価格は26.95ドルだった(図2)。


図2 Windows版のMinecraft(有料)の世界

 Minecraftには、さまざまな「モード」がある。例えば、Windows版のMinecraftには、「サバイバルモード」「ハードコアモード」「クリエイティブモード」「アドベンチャーモード」などがある。大体名前でどんなモードかは想像できるだろう。「ハードコアモード」は、一度でも主人公が死んでしまうと、世界が消去されてしまう過酷なモードだ。

Raspberry Pi版のマイクラ「Minecraft Pi」とは

 Raspberry Pi用に移植されたのが、「Minecraft Pi(マインクラフトパイ)」だ。Minecraft Piは先に紹介したMinecraft PEが基になっている。

 このRaspberry Pi用のMinecraft Piは「クリエイティブモード」のみの対応だが、上記他のエディションと違い、無料になっている(とはいえ、Raspberry Pi本体はもちろん有料だ)。「クリエイティブモード」は、ブロックを自由に配置でき、建築や物作りに集中できるようになっている。

 またMinecraft Piだと、ScratchのプログラミングでMinecraftを操作することが可能なため、本連載ではMinecraft Piを紹介している。

なぜ、Minecraftでプログラミングをするのか

 Minecraftは子どもたちに人気があることから、下記のように教育分野でのIT活用やプログラミング教育の入り口として注目されている。

 また、2014年にMojang社を買収したマイクロソフトは、2015年11月16日にMinecraftをベースにプログラミングの基礎を学べる「Minecraft Hour of Code」を無料で提供を開始した。

 「Minecraft Hour of Code」にトライしているのが図3だ。「山羊を捕まえる」といった簡単な処理のプログラミングから始まり、ステージをクリアするごとに徐々に難易度が増していく作りになっている。例えば図3では、山羊に到達するまでに、「前に進む」のコマンドを3個、「実行した時」の後にくっつけている。これで、「実行」ボタンをクリックすると、主人公は山羊を捕まえて、このステージがクリアとなる。このようなビジュアルプログラミング言語を使っている点は、Scratchと全く同じだ。


図3 Minecraft Hour of Codeにトライしている様子

 加えて、マイクロソフトは教育機関向けの「Minecraft: Education Edition」の提供も予定している(参考:Microsoft、教育用マインクラフトを今夏提供開始へ)。

 また、Minecraftは子ども向けの教材として使われるだけではない。もしかしたら、Minecraftの世界をユーザーインタフェースにしていろいろなことを行う未来が来るのかもしれない。

 マイクロソフトはMinecraftを、拡張現実HMD「HoloLens」でも標示させるように「holographic API」を提供するそうだ(参考:Microsoft、拡張現実HMD「HoloLens」向けXboxゲームのためのAPI提供へ)。

 また、スペインのバルセロナで2015年11月に開催された「DockerCon Europe 2015」では、コンテナ仮想化プラットフォーム「Docker」のクライアントのユーザーインタフェースをMinecraftにする「Dockercraft」がリリースされた(参考:本当に動くらしい。DockerクライアントのUIを(本物の)Minecraftにする「Dockercraft」、オープンソースでリリース。DockerCon Europe 2015)。

 このように見てくると、Minecraftの波がじわじわと押し寄せている気配を強く感じる。ぜひ、この機会にMinecraftの世界に触れてみてはいかがだろうか。

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