Iron.io、「AWS Lambda」同等の機能を“どの環境でも”利用できるようにする「Project Kratos」を発表:マイクロサービスアーキテクチャの実装がはかどるようになるかも
Iron.ioは、AWS Lambda同等の機能をどのクラウドでも利用できるようにするというプロジェクトを発表した。
米Iron.ioは2016年2月11日(米国時間)、企業が米Amazon Web Services(AWS)の「AWS Lambda(ラムダ)」サービスと同等の機能を、ベンダーロックインを避けて任意のクラウドやオンプレミスで実行できるようにする「Project Kratos」を発表した。
Iron.ioはProject Kratosのプロジェクトメンバーを募っているが、同プロジェクトの具体的な内容はまだ明らかにしていない。Project KratosのWebページでは、プロジェクトメンバーとしての参加に関心があり、情報提供を求める人向けのフォームを掲載しており、近いうちにプロジェクトの最新情報や参加の方法について連絡するとしている。
AWS Lambdaは、「コードをAWS Lambdaにアップロードすると、サービスがAWSインフラを使用してコードの実行を代行するコンピューティングサービス」(AWS)と説明されている。ユーザーはサーバのプロビジョニングや管理なしでコードを実行でき、課金は実際に使用した時間に対してのみ発生する仕組みだ。他のAWSサービスのイベントをトリガーに呼び出したり、Webやモバイルアプリケーションから直接呼び出したりきる。
Iron.ioは、「IronMQ」「IronCache」「IronWorker」など、マイクロサービス向けのソフトウェアプラットフォームを提供しており、ツイッター、グーグル、HotelTonight、Untappdなどを顧客に抱えている。
なお、米グーグルでは2016年2月11日(米国時間)に、やはりAWS Lambdaに相当するサービス「Google Cloud Functions」のα版を発表している。
AWS LambdaはJavaScriptの他、JavaやPythonが実行できるが、Project Kratos、Google Cloud FunctionsはJavaScriptのみ。AWS LambdaとGoogle Cloud Functionsは自社クラウドサービスおよびモバイル、HTTPエンドポイントのイベントをトリガーとする前提だが、Project Kratosではこうした制約なく「どのクラウドでもオンプレミスでも」利用できる点が特徴となるようだ。
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