初めてでも今すぐ実践できる、ピボットテーブルの作り方:新社会人の必須知識 「Excel ピボットテーブル」超入門(2)(1/3 ページ)
Excelを通じて、「ピボットテーブル」の基礎を学び、データ分析を実践するまでを習得する本連載。今回は、データの整理方法から、ピボットテーブルを作成するまでの初歩テクニックを図解付きで解説する。
本連載は、今後のビジネスに必須とされる「データ分析」の第一歩を踏み出してもらうために、Excelを通じた「ピボットテーブル」をまずマスターすることを目的にする。Microsoft Excel 2013(以下、Excel)を使って、ピボットテーブルを実務で応用していくためのノウハウを紹介していく。
前回は、「ピボットテーブルとは何か」と「どういったことができるのか」の基礎を解説した。今回は、実際にピボットテーブルを作成していく手順を一から学んでいこう。
リストデータを作成するときの注意点
事前準備として、第1回目「ピボットテーブルとは何か──そもそも何ができる機能?」の図1で示した「売上一覧表」のリストデータを、Excelで適当に作成してほしい。
リストデータの作成において注意してほしいのは、「空白行」と「空白列」を入れないことだ。例えば空白行があると“ここで終わり”と識別され、空白の行から下のデータが集計されなくなる。文字列の前や後ろに余計な空白(スペースなど)が入らないようにもしてほしい。
この他に、リストデータの表記揺れにも気を付けよう。例えば、同じ製品だとしても、漢字/かな/英字や全角/半角などの表記が混在していると、別のものと見なされて正しい集計結果が得られない。
今回の見本のような数十件程度のリストデータならば目視でチェックできるが、数千、数万単位になると目視では困難だ。まずは、そのときに便利に使える「テーブル」機能を紹介しよう。
「テーブル」機能の使い方
例えば、商品名に全角と半角が混じったリストデータになっていたとしよう(図2)。
この状態でピボットテーブルを作成すると、同じ項目の「ノートPC」「デスクトップパソコン」のつもりでも、全角と半角で「別の項目」として集計されてしまう(図3)。
では、どう回避するか。[Ctrl]+[F]のショートカットキーによる置換機能を使い、全角に統一するのが一般的だ。Excelを使いこなしている人ならば、JIS関数を使って置換する方法もある。今回はピボットテーブルに関連した方法として、テーブル機能を使って置換していく。テーブルとは、データの抽出や並べ替え、集計などの操作を簡単にする、リスト形式のデータを効率よく管理するための機能だ。
早速実践していこう。まず、標準状態である「セル範囲」のリストデータを、「テーブル」に変換する。なお、テーブルは標準状態の「セル範囲」に戻すこともできるので安心してほしい(方法は後述する)。
半角混じりのリストデータのいずれかのセルを選択した状態で、「挿入」タブ→「テーブル」を選択する(図4)。
「テーブル作成」のダイアログボックスが表示される(図5)。対象としたい範囲(リストの全域)を指定し、「OK」をクリックすると、リストデータがテーブルに変換される(図6)。
「商品名」項目のフィルターボタン[▼]で表示されるメニューから、半角が含まれる商品名にチェックを入れる(図7)と、半角が含まれるデータだけが抽出される(図8)。
これで修正しやすくなっただろう。前述のように置換機能などを使って、全角に修正してほしい。修正が済んだら、フィルターボタン[▼]のメニューから「全て選択」にチェックを入れると、全角で統一されたデータに仕上がったことが分かる(図9)。これで、誤った集計結果が表示されることはない。
元のセル範囲スタイルに戻すには、「デザイン」タブ→「範囲に変換」を選ぶ(図10)。ただし、1行おきに付いたセルの色は残る。これはこれで表として見やすいが、書式設定の解除は、「ホーム」タブ→「クリア」→「書式のクリア」で行える。
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