なぜ、「私が興味を持ちそうな広告」が表示されるの?:セキュリティ、いまさら聞いてもいいですか?(7)(4/4 ページ)
セキュリティ関連のキーワードについて、とことん基礎から解説する本連載。第7回では、Webサイトなどがユーザーの行動を追跡(トラッキング)する仕組みについて解説します。
プライバシー設定を使おう
少しでも安全にインターネットを使うために、私たちにできることはないのでしょうか?
最近のWebブラウザは「プライバシー設定」が可能ですので、こうした機能も活用しましょう。
Internet ExplorerやMicrosoft Edgeでは「InPrivateブラウズ」、Google Chromeでは「シークレットウィンドウ」、Firefoxでは「プライベートウィンドウ」という機能があります。これらの機能を使うと、閲覧履歴やCookieといった情報をブラウザに保持させずにWebサイトを閲覧できます。
また、Internet Explorer 9以降では「追跡防止」、Google Chromeでは「トラッキング拒否」、Firefoxでは「トラッキングをブロックする」といった設定項目もあります。これらの設定を使えば、広告用のトラッキングを避けることができます。
スマートフォンの場合はどうなのでしょう? 何か気を付けることはありますか?
位置情報の利用をオンにしていると、その情報も使われる可能性がありますので、必要がなければオフにしましょう。
FacebookなどのSNSでは、位置情報を使った「チェックイン機能」などがあります。また、スマートフォンで写真を撮った場所を記録するために位置情報をオンにしている人などもいます。
さらに最近はPCでも位置情報をオンにする設定があります。位置情報を使うと、検索などの際に現在地近くの情報が表示されて便利な面もありますが、その危険性も理解しておく必要があります。位置情報については、別の回にあらためて詳しく解説します。
第7回のまとめ
- インターネットでは、ユーザーのサイト閲覧履歴や登録情報を基に広告が配信されている
- 利用しているサイトがどのようなセキュリティポリシー、プライバシーポリシーを採用しているのか確認することが大切
- ブラウザの機能でトラッキングを拒否したり、スマートフォンでは「位置情報の利用」をオフするといったことでユーザー側でもある程度のプライバシー対策ができる
増井敏克(ますい としかつ)(増井技術士事務所代表)
技術士(情報工学部門)、テクニカルエンジニア(ネットワーク、情報セキュリティ)、その他情報処理技術者試験にも多数合格。
ITエンジニアのための実務スキル評価サービス「CodeIQ」にて、情報セキュリティやアルゴリズムに関する問題を多数出題している。
また、ビジネス数学検定1級に合格し、公益財団法人日本数学検定協会認定トレーナーとして活動。「ビジネス」「数学」「IT」を組み合わせ、コンピュータを「正しく」「効率よく」使うためのスキルアップ支援や、各種ソフトウエアの開発を行っている。
近著に「おうちで学べるセキュリティのきほん」(翔泳社、2015)、「プログラマ脳を鍛える数学パズル シンプルで高速なコードが書けるようになる70問」(翔泳社、2015)がある。
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