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銀行APIの公開で便利で面白い金融サービスは生まれるか――12の多彩なアイデアが完成度を競ったFintech Challenge 2016特集:FinTech入門(7)(1/3 ページ)

三菱東京UFJ銀行は、FinTechをテーマとしたハッカソンイベント「Fintech Challenge 2016 “Bring Your Own Bank!”」を開催した。この記事では、ハッカソン最終日に行われた12チームによるプレゼンテーションの概要と、審査結果をレポートする。

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「より身近で便利なIT×金融のサービスづくり」を目指した12のサービス

特集:FinTech入門――2016年以降の金融ビジネスを拡張する技術

「Finance(金融)」と「Technology(技術)」を足した造語である「FinTech」。その旗印の下、IT技術によって金融に関わるさまざまな業務や処理を利便化し、ビジネスの拡大を図る動きが国内金融業界から大きな注目を浴びている。大手銀行からスタートアップまで「FinTech」という言葉を用い、新しいビジネスを展開するニュースが相次いでいる。言葉が氾濫する一方で、必要な技術について理解し、どのように生かすべきか戦略を立てられている企業は、まだ多くないのではないだろうか。本特集では金融業界がFinTechでビジネスを拡大するために必要な技術要件を浮き彫りにし、一つ一つ解説していく。



 テクノロジーの活用によって、サービスの使い勝手を高めたり、新たなビジネスを生み出したりする金融サービス分野での取り組み「FinTech」が注目を集めている。この分野では、技術面での先進性を武器にサービスを展開するベンチャー企業だけではなく、既存の銀行や証券各社も、自社の持つノウハウ、強みを生かしながら、外部の企業とも協働する形で、ビジネス拡大を目指す動きを強めている。

 こうした背景の下、日本における3大メガバンクの1社にも数えられる三菱東京UFJ銀行は、FinTechをテーマとしたハッカソンイベント「Fintech Challenge 2016 “Bring Your Own Bank!”」を開催した。同行による「Fintech Challenge」は、2015年に引き続き、今年が2回目の開催となる。

 今回のテーマは「より身近で便利なIT×金融のサービスづくり」。同行がAPIgeeやTISと共にハッカソン向けに用意した「銀行API」群(下記参照)と、Uber、NTTドコモ、ぐるなび、KDDIウェブコミュニケーションズ、リクルートWebサービス、Sansan、日本IBM、BASE、三菱総研DCSといった「APIパートナー」が提供するAPI群とを組み合わせて、新たなサービスを創出することを目指した。

三菱東京UFJ銀行がFintech Challenge 2016向けに用意した「銀行API」群

  • リテール/法人共通 認証…OAuth認証によるログイン
    • 契約者情報…契約者(ユーザー)情報紹介
    • マイパターン…ユーザーが保有するマイパターン(振込先の事前登録)の紹介、登録、更新、削除
    • 口座情報…指定した口座の口座情報紹介、入出金明細照会
    • 振込(都度、マイパターン)…振込先口座を個別に指定する振り込み(都度振り込み)、マイパターン指定による振り込み
    • 支店情報…支店情報の取得、緯度・経度による検索
    • 来店予約…支店への来店予約受付、予約状況照会
    • 支店状況…支店内の混雑状況を提供
    • 金利・手数料情報…ローン金利情報・ATM手数料情報照会
    • 為替レート…為替相場レート情報照会
  • リテールのみ
    • 投信…ファンド一覧、ファンド購入、保有ファンド照会
  • 法人のみ
    • 振込(振込依頼)…指定口座への振込申請・承認(一括・個別)

 ハッカソンには、個人、法人を問わず、エンジニアが1名以上いる5名までのチームによる参加が可能とされた。チームの募集は2016年1月12日から2月10日までの間に行われ、3月4日に「アイデアソン」、3月12、13日の両日に実際の開発を行う「ハッカソン」が実施された。ハッカソン2日目の午後より、各チームによるプロトタイプのプレゼンテーションと、入賞作の審査が行われた。

 審査基準は、開発されたサービスの「利便性(世の中を便利にするサービス)」「先進性(これまでになかった発想と技術)」「完成度(プロトタイプの質)」の3点となっており、以下の4名の審査員によって各賞が選出された。

  • 池田将氏(The Bridge共同創業者兼ブロガー)
  • 西村賢氏(TechCrunch Japan編集長)
  • 藤川真一氏(BASE CTO)
  • 増井雄一郎氏(トレタCTO)

 最終的にプレゼンテーションを行ったのは12チーム。ここからは、各チームの発表内容と、審査結果についてお伝えする。

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