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シスコがハイパーコンバージド製品「Cisco HyperFlex」を国内発表、独占OEMソフトで強化最小構成の参考価格は677万円

シスコシステムズは2016年4月11日、ハイパーコンバージドインフラ製品「Cisco HyperFlexシステムを国内発表した。この種の製品としては低価格な部類に入る。米Springpathから独占的にOEM供給を受けたファイルシステム/ストレージソフトウェアも大きな特徴。

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 シスコシステムズは2016年4月11日、ハイパーコンバージドインフラ製品「Cisco HyperFlexシステム(以下、HyperFlexシステム)」を国内発表した。詳しくは後述するが、最小構成での参考価格は677万円となっている。価格競争力に優れた製品といえ、これまでシスコのサーバ製品「Cisco Unified Computing System(Cisco UCS)」を扱ってきた販売パートナー11社が販売意向を表明している。


外見的にはCisco UCSサーバにCisco Fabric Interconnectを組み合わせた形のCisco HyperFlexシステム

 HyperFlexシステムは、Cisco UCSの一部機種に、ハイパーコンバージドシステム向けストレージソフトウェアのスタートアップ企業、米SpringpathからOEM供給を受けた「Cisco HXデータプラットフォーム」を組み合わせている。すなわち大まかにいえば、Cisco UCSが当初より提供している、サーバとネットワークのハードウェア的な運用性に、Springpathのストレージに関するソフトウェア的な機能と運用性を付加しているところに、ハイパーコンバージドインフラ製品としての特徴がある。

 なお、シスコはSpringpathと独占OEM契約を締結しており、他社から同一のストレージソフトウェアを採用した製品が提供されることはないと、米シスコシステムズ コンピューティングシステムプロダクトグループ プロダクトマネージャーのチャクリ・アヴァラ(Chakri Avala)氏は@ITに説明した。

 HyperFlexシステムには、下図のように、1Uのラックサーバ「Cisco UCS C220」をベースとした「HX220c」、2Uラックサーバ(2CPU)の「Cisco UCS C240」をベースにした「HX240c」、そしてHX240cとブレードサーバ「Cisco UCS B200M4」を組み合わせた「HX240c + B200M4 for HFハイブリッドノード」の3種類のモデルがある。いずれの場合も、ストレージ機能では各ノード(サーバ)で内蔵SSDをキャッシュ、内蔵HDDをデータ保存先として用いる。ストレージソフトウェアの関係から、ノードは冗長性確保のため最低3台利用。8台までを一クラスタとして構成できる。「HX240c + B200 for HFハイブリッドノード」において、Cisco UCS B200は、処理性能を高める役割を担い、ストレージは持たない。この3種類について、決め打ちの構成で提供するバンドル商品があるほか、搭載メモリ量や搭載ストレージ量をカスタマイズできるアラカルト的な販売方法がある。なお、HX220cとHX240cを同一クラスタに混在させることはできない。


HyperFlexシステムはこの3種の構成を基本としている。最小構成価格の詳細構成については、左下に記載されている

 冒頭で紹介した参考価格677万円に含まれるのは、HX220cの3台構成に、Cisco UCSの特徴を生かすために必要な集線装置「Cisco Fabric Interconnect」の冗長構成(すなわち2台)、そしてHXデータプラットフォームおよび保守サポートサービスの1年ライセンス。詳しい構成は上図の左下をご覧いただきたい。VMware vSphereのライセンス料は、この価格には含まれていない。ユーザーは、シスコのサポートの下でvSphereを併せて購入することもできるし、既存のライセンスを適用することもできる。

 HyperFlexシステムは、発表時点ではVMware vSphereのみに対応。vSphereをはじめとする必要なソフトウェアと設定を組み込んだ形で出荷する。従って、ユーザー拠点側で行う作業は、事前に用意されているCisco UCSの「サービスプロファイル」(サーバの物理構成/設定を指定できる設定ファイル)を適用し、vSphereのクラスタとデータストアを作成することだけだ。ネットワーク構成を含めて、開梱してから1時間以内に利用開始できるという。今後はvSphereに加え、Hyper-V、KVM、ベアメタルサーバ、コンテナといった多様な環境に対応していくという。

 Cisco UCSでは、前述のサービスプロファイルによるサーバ初期設定の容易さのほか、ネットワーク機能がセールスポイントで、シンプルなケーブル配線、およびネットワーク帯域の論理的な分割/構成により、初期導入と拡張の作業を容易にしている。HyperFlexでも、これが適用されている。

 ハイパーコンバージドインフラの一部製品は、専用の設定/管理用GUIを備えていて、幅広いユーザーが構築・運用できるようにしている。HyperFlexにはこうしたツールは備わっていない。vSphere管理用のvSphereクライアントに、自社ハードウェア管理ツール「Cisco UCS Manager」をプラグインとして統合的に使えるようにしている。これについてシスコは、UCS ManagerとvSphereクライアントが十分使いやすいこと、そしてHyperFlex以外の環境含めた集中管理がしやすいことを理由として挙げている。また、前述の事前設定済みサービスプロファイルを適用するため、UCS Managerはほぼ不要だと、アヴァラ氏は説明する。

 HyperFlexシステムでシスコが特に強調するのは、Cisco HXデータプラットフォームの機能。同データプラットフォーム(ストレージソフトウェア)は、「ハイパーコンバージドシステムのために、一から開発されている」(アヴァラ氏)。同氏によると、ベアメタルサーバ上で動作する(すなわちOSレイヤを挟まない)ファイルシステム/ストレージソフトウェアで、データはキャッシュ、永続データ保存ともに全ノードに同時分散書き込みされるため、パフォーマンスが高いという。デフォルトでは3つのレプリカが常に維持される。また、VAAIに対応したスナップショットやレプリケーション機能、インライン重複排除/圧縮など、「エンタープライズストレージに匹敵する機能を備えている」という。同プラットフォームではSSDをキャッシュに用い、永続的なデータ保存はHDDに対して行う。オールフラッシュ構成の可能性についてアヴァラ氏に聞いたところ、「オールフラッシュ構成を望むような顧客はほとんどの場合、オールフラッシュストレージをファイバチャネル接続している」といい、その場合はシスコが従来よりストレージベンダーとともに展開している、ストレージ装置を使った統合システムを勧めると答えた。

 シスコはHyperFlexを、少なくとも現在のところは、デスクトップ仮想化やソフトウェア開発/テスト、サーバ仮想化などをスモールスタートしたい企業や事業部門に適する製品として提供していく。

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