マイクロソフト、オープンソースコードエディタ「Visual Studio Code 1.0」をリリース:“新タイプ“のクロスプラットフォーム開発ツールに変革
マイクロソフトは無償公開するクロスプラットフォームコードエディタの正式版「Visual Studio Code 1.0」をリリースした。
米マイクロソフトは2016年4月14日(米国時間)、無償のオープンソースソフトウェアとして公開しているWindows、Linux、OS X用コードエディタの正式版「Visual Studio Code 1.0」をリリースしたと発表した。
Visual Studio Code(以下、VS Code)は2015年5月にパブリックプレビューがリリースされ、同年11月にβ版の公開と合わせてオープンソース化されたコードエディタ。パブリックプレビュー段階で約200万人の開発者がインストールしており、2016年4月現在の月間アクティブユーザー数は50万人を超えるという。
マイクロソフトのVS Codeチームは公式ブログで、「現代的なWeb技術を使った本番品質のエディタを開発しようという実験として始まったが、リッチなコード編集およびデバッグ環境の提供を中心に、“開発者の生産性に重点を置いた、新タイプのクロスプラットフォーム開発ツール”に発展した」と、正式版公開を踏まえたVS Codeの役割の変化を説明する。
VS Codeは当初、JavaScriptやTypeScriptを使ってWebアプリケーションを作成する開発者向けに開発された。しかし、VS Codeを拡張可能にしてから6カ月に満たない間に、コミュニティーで開発されたエクステンションが1000を超えた。VS Codeではこうしたエクステンションにより、ほぼ全ての言語やランタイムがサポートされるようになったという。この背景からVS Codeチームは、正式版であるVS Code 1.0のリリースまでの数カ月間、コミュニティーとの協力を通じて、バグ修正による安定性の向上や編集作業でのパフォーマンスを最大限高めることに注力したようだ。
また、「現在は個人から新興企業、フォーチュン500ランキングに名を連ねる企業に至るまでの幅広い開発者が、自分たちのツールセットやワークフローにスムーズに調和し、自分たちの使っているGoやPython、React Native、C++といった技術をサポートするVS Codeを、非常に生産的に活用している」とも述べ、こうしたエコシステムの確立を背景に、VS CodeのAPIの安定性や、将来にわたる互換性の保証なども強みに掲げる。
今後、これまでと同様にパフォーマンス、安定性、アクセシビリティ、互換性を重視しながら、ユーザーからのフィードバックを踏まえて開発者生産性の向上に向けて投資を行うとしている。パートナーやコミュニティーと引き続き協力し、新しい言語、プラットフォーム、エクスペリエンスをサポートしていくという。
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