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Windows 10のトラブルシューティング事例――グループポリシーエディターのエラーを素早く解決する山市良のうぃんどうず日記(64)(1/3 ページ)

Windows 10初期リリースを経由してWindows 10 バージョン1511にアップグレードしたWindows 10では、「グループポリシーエディター」を開くとエラーが表示されます。この不具合が発生する経緯から、クライアントPCを一括修正する方法までを解説します。

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Windows 10 バージョン1511の「グループポリシーエディター」で発生するエラー

 Windows 10初期リリース(ビルド10240)を経由して、Windows 10バージョン 1511(ビルド10586)にアップグレードしたWindows 10 Pro/Enterprise/EducationのPCでは、「グループポリシーエディター(Gpedit.msc)」を起動すると、次のエラーメッセージが2回ほど表示されます(画面1)。

名前空間 'Microsoft.Policies.Sensors.WindowsLocationProvider' は既にストア内の別のファイルのターゲット名前空間として定義されています。

ファイル

C:\WINDOWS\PolicyDefinitions\Microsoft-Windows-Geolocation-WLPAdm.admx、行5、列 110

画面1
画面1 Windows 10初期リリースを経由してWindows 10 バージョン1511以降にアップグレードしたPCでは、「グループポリシーエディター」を開くとこのエラーメッセージが2回表示される。2016年3月のInsider Previewビルドでもこの問題は放置されたまま

 Windows 7/8.1からWindows 10初期リリースをスキップして、Windows 10 バージョン1511にアップグレードしたPCや、Windows 10 バージョン1511を新規インストールしたPCでは、この問題は発生しません。この問題は、“Windows 10初期リリースを経由してWindows 10 バージョン1511以降にアップグレードした場合”に限り発生します。ちなみに、2016年3月にWindows Insider Program向けにリリースされた、開発中のWindows 10 Insider Previewビルドにおいても、この問題は放置されたままです。

 このエラーメッセージは「ローカルコンピューターポリシー」や「グループポリシー」の適用には何の影響もないため、「OK」ボタンをクリックして無視して構いません。でも、毎回毎回エラーが表示されるので、ポリシー設定を多用している人は気になるでしょう。

 また、「Gpresult」コマンドを使用してローカルコンピューターポリシーやグループポリシーの適用状況をテストしたい管理者にとっては、このエラーが影響して正しいレポートを作成できないという問題もあります(画面2)。

画面2
画面2 管理用テンプレート「Microsoft-Windows-Geolocation-WLPAdm.admx」のエラーを放置したままでもポリシーの適用に影響はないが、「Gpresult」コマンドが作成するレポートには影響する

 Windows 10 バージョン1511のグループポリシーエディターで発生する「Microsoft-Windows-Geolocation-WLPAdm.admx」のエラーについては、以下の連載記事の「ポリシー定義(.admx)のファイル名変更しました、やっぱり戻しました」でも触れています。

 Windows 8/8.1の管理テンプレート「LocationProviderADM.admx」は、Windows 10初期リリースで「Microsoft-Windows-Geolocation-WLPAdm.admx」というファイル名に変更されました。その結果、Windows 10初期リリースの管理用テンプレートをグループポリシー用にコピーすると、「LocationProviderADM.admx」と「Microsoft-Windows-Geolocation-WLPAdm.admx」で“同じポリシー設定が重複定義されてしまう”という問題が発生しました。

 この問題を修正するためにWindows 10 バージョン1511では、ファイル名が「LocationProviderADM.admx」に戻されました。Windows 10 バージョン1511のクリーンインストール環境には「Microsoft-Windows-Geolocation-WLPAdm.admx」は存在しません。

 しかし、Windows 10初期リリースからWindows 10 バージョン1511にアップグレードした場合は古い「Microsoft-Windows-Geolocation-WLPAdm.admx」が残されたままになるので、今度はグループポリシーではなく、Windows 10 バージョン1511のローカル環境でグループポリシーエディターが管理用テンプレート「Microsoft-Windows-Geolocation-WLPAdm.admx」のエラーを出すようになってしまいました。

 上記の記事を書いたときには、筆者が指摘したWindows 10 バージョン1511で発生するようになった新しい問題は、サポート技術情報では説明されていませんでした。しかし、現在はこの問題も「シナリオ2(Scenario 2)」として追加されています。初期リリースの問題は「シナリオ1(Scenario 1)」として説明されており、それぞれ発生条件や対処方法が異なるため、複雑なサポート技術情報になっています。

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