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「サーバを置けるスペースがない」なら“外”に作ればいい――病院が悩んで選んだ方法とは?“止められないシステム”を限られたスペースでどう動かすか

山口赤十字病院は、医療システムを支えるITインフラを刷新した。“止められないシステム”を動かすITインフラを、限られたスペースでどう実現したのか。

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 山口県央部の基幹病院である山口赤十字病院は、救急医療を含む急性期医療を担う。2024年4月の新病棟のグランドオープンに向けて、同院は医療システムを支えるITインフラの刷新プロジェクトを進めた。

 プロジェクトの一環として取り組んだのが、旧病棟内の2部屋に分散していたサーバルームの移転・集約だ。旧病棟で稼働させてきた約20ラック相当の医療システムには、電子カルテなどの重要なシステムが含まれる。

 当初は旧病棟内の既存棟を改修して移転・集約する計画だったものの、改修の場合は新病棟の建築スケジュールに影響することが判明した。一方で建築中の新病棟内にはサーバルームを設けるスペースがなく、外部データセンターの利用もリスクが高いと判断した。

そして選んだ「データセンターを“外”に作る」という選択肢

 山口赤十字病院は設置スペースの制約を踏まえて、設置場所の自由度を確保しやすいITインフラ構築手段を求めていた。新病棟の建築スケジュールに合わせられるように、構築期間を短縮しやすくすることも必要だった。

 こうした要件を踏まえて、山口赤十字病院がITインフラの構築手段として選択したのが、建物内にサーバルームを移転する代わりに、敷地内にコンテナ型データセンターを新設する方法だ(写真1)。

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写真1 新設したコンテナ型データセンター(出典:シュナイダーエレクトリックのプレスリリース)《クリックで拡大》

 コンテナ型データセンターの採用後は、限られたスペースに20ラック相当の医療システムを高密度に収容することが新たな課題となった。その解決のために山口赤十字病院は、コンテナ型データセンター内のIT機器に、高密度な構成を実現できる製品を採用することにした。具体的には、シュナイダーエレクトリックの無停電電源装置(UPS)「Galaxy VS」やラック「APC NetShelter SX Enclosures」、電源供給装置(PDU)などだ(写真2)。

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写真2 導入したGalaxy VSなどのIT機器(出典:シュナイダーエレクトリックのプレスリリース)《クリックで拡大》

 これらの電源やラック機器を組み合わせたITインフラの構築によって、山口赤十字病院は旧病棟の2部屋に分散していた20ラック相当のシステムを、約60%の省スペースとなる8ラックに集約した。コンテナ型データセンターの限られた設備スペースでも、効率的に医療システムを稼働できるようにしたという。

PUE1.2台の省エネルギーとバッテリーの長期運用を可能に

 ラックやUPSなどの設計を工夫することで、電力供給と空調効率を両立させ、PUE(Power Usage Effectiveness:電力消費効率)1.2台という省エネルギー性能を達成した。PUEは、データセンターのエネルギー効率を示す指標であり、1に近いほど効率が良くなる。

 UPSの蓄電池にはリチウムイオンバッテリーを採用し、15年にわたりバッテリー交換を必要としない運用も可能にしたという。シュナイダーエレクトリックは2026年6月25日、本事例を発表した。

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