「リレーションシップ」機能を使いこなして挑む、“即戦力”になるピボットテーブルの作り方:新社会人の必須知識 「Excel ピボットテーブル」超入門(終)(4/4 ページ)
Excelを通じて、「ピボットテーブル」の基礎を学び、データ分析を実践するまでを習得する本連載。最終回は、「リレーションシップ」機能を駆使して、実務への応用を想定した高度なピボットテーブルを作成する方法を実践する。
リレーションシップを設定した複数のテーブルからピボットテーブルを作成する
では、リレーションシップを設定した「明細情報」テーブルを基に、複数のテーブルの項目/データを参照する、これまでよりちょっと高度なピボットテーブルを作成していこう。
明細情報テーブルの任意のセルにカーソルを置き、Excelメニュー「挿入」タブ→「ピボットテーブル」を選択する。表示される「ピボットテーブルの作成」ダイアログボックスで、「テーブル/範囲」欄に、テーブル名である「明細情報」が指定されていることを確認する。「このデータをデータモデルに追加する」をチェックして、OKボタンを押す(図15)。
新しいワークシートにピボットテーブルの枠が表示される。フィールドセクションから「全てのフィールド」を選ぶと、リレーションシップで関連付けられているテーブル名が表示される(図16)。
「商品情報」テーブルを展開すると表れる3つの項目から、「商品名」を選んでレイアウトセクションの「行」エリアへ配置する。同様に、「担当者情報」テーブルにある「担当者」を「列」エリアへ、「明細情報」テーブルにある「金額」を「値」エリアに配置する(図17)。
この作業によって、図18のようなピボットテーブルが作成される。前回までに実践してきた、クロス集計のピボットテーブルと見た目は変わらないのだが、実は、プロセスが大きく違う。同じテーブルの項目からではなく、複数のテーブルから特定の項目を抽出し、1つのピボットテーブルにまとめたからだ(図18)。
複数のテーブルに基本情報を分けて管理すること、そして「リレーションシップ」で同じ項目を関連付けること。このテクニックは、社内・社外を問わず、さまざまな場所にある、いろいろなデータと連結・参照してデータ分析を行う第一歩なのある。
まとめ
これまで紹介してきたテクニックによって、「ピボットテーブル」の効果、しかも意外なほど簡単に扱えてしまうことがお分かりいただけただろう。
これによって、業務活動の過程で得られるデータをどのように使い、「ビジネスの意思決定に生かす」目的で多方面からデータを分析する、「BI(ビジネスインテリジェンス)」のスタートラインに立てたということでもある。
ここ得たノウハウは、ぜひ自身の業務へ実戦投入して活用していただきたい。また、Excelやデータ分析の基礎で困っている同僚や後輩がいたならば、ぜひ本連載を教えてあげてほしい。
筆者紹介
薬師寺 国安(やくしじ くにやす) / 薬師寺国安事務所
薬師寺国安事務所代表。Visual Basicプログラミングと、マイクロソフト系の技術をテーマとした、書籍や記事の執筆を行う。
1950年生まれ。事務系のサラリーマンだった40歳から趣味でプログラミングを始め、1996年より独学でActiveXに取り組む。
1997年に薬師寺聖とコラボレーション・ユニット「PROJECT KySS」を結成。
2003年よりフリーになり、PROJECT KySSの活動に本格的に参加。.NETやRIAに関する書籍や記事を多数執筆する傍ら、受託案件のプログラミングも手掛ける。
Windows Phoneアプリ開発を経て、現在はWindowsストアアプリを多数公開中。
Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)
Microsoft MVP for Development Platforms - Windows Phone Development(Oct 2012-Sep 2013)
Microsoft MVP for Development Platforms - Client Development(Oct 2013-Sep 2014)
Microsoft MVP for Development Platforms-Windows Platform Development (Oct 2014-Sep 2015)
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