「Pokemon GO」アカウントが高値で売買、専門家がセキュリティリスクに警鐘:うまい話は、危ない
トレーナーレベルの高い、あるいはレアなポケモンを持っている「Pokemon GOアカウント」などが売買され始めている。こうした取引はサイバー犯罪の温床になる危険が指摘されている。
英BBCが、世界で大ブームのスマホゲーム「Pokemon GO(ポケモンGO)」のアカウントを、eBayのようなサイトで売る人が出てきていると報じている。
販売されているアカウントの多くは、高いトレーナーレベルに達したプレーヤーや、レアなポケモンをつかまえたプレーヤーのもの。例えば、トレーナーレベルが23で、一連のレアなポケモンを持っているアカウントは、500ポンド(約7万円)で売られているという。その一方で、10〜12といったレベルのアカウントも40ポンド(約5600円)ほどで売られているケースもある。アカウントの売買専用SNSグループも多数の存在が確認されているという。
セキュリティベンダーの英Clearswiftの商品担当上級副社長を務めるガイ・バンカー博士はこの現象に対し、次のように警鐘を鳴らしている。「Pokemon GOのような新しいブームが生まれると、サイバー犯罪者も便乗して群がってくる。最初は実際のプレーヤーが自分のアカウントを売買しているとしても、“うまみ”があると分かれば、不正入手した別の人のアカウントを高値で売る犯罪者が出てくる。さらに犯罪者は、販売用のアカウントを調達するために、フィッシング詐欺でプレーヤーを不正サイトに誘導し、だましてアカウント情報を入力させようともするだろう。いずれにしても、一般プレーヤーがだまされないようにするには、レベルアップやレアアイテム獲得の手っ取り早い方法には、手を出さないことだ」
なお、「Pokemon GOトレーナーガイドライン」では、アカウントの販売や交換はガイドライン違反とされている。
「不正行為(チート): 不正行為はやめましょう。(略)残念ながらチートの手段は次々に生み出されますが、少なくとも以下のものを含みます。変更を加えた、また非公式のソフトウェアを使用すること。複数アカウントでプレイすること(1プレイヤー 1アカウントでお願いします)。アカウントの複数人での共有。位置情報を変更したり操作したりするツールや技術の使用。アカウントの販売や交換。(略)」
「(略)トレーナーガイドラインの違反にはアカウントにペナルティーが発生します。ペナルティーには、警告やゲームからの一時的な追放、より深刻な場合や繰り返しの違反の場合には、アカウントの削除などがあります」
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