マイクロソフト、ディープラーニング研究開発企業のマルーバを買収へ:「AIの民主化」を加速
マイクロソフトが、自然言語理解におけるディープラーニング研究のスタートアップであるマルーバを買収で合意。「AIの民主化」を推進する。
米マイクロソフトは2017年1月13日(米国時間)、自然言語理解のためのディープラーニング研究開発企業である加マルーバを買収することで合意したと発表した。
マイクロソフトは、「応答システムや意思決定システムのためのディープラーニングと強化学習に関するマルーバの専門知識とノウハウは、“マイクロソフトがAI(Artificial Intelligence:人工知能)を民主化し、消費者、企業、開発者にとって利用しやすく、有益なものにする”ための戦略を進める上で役立つ」と買収の意図を述べている。また、マルーバのビジョンである、「人のように考え、推論し、コミュニケーションを行える、読み書きが可能なマシンを開発し、汎用AIの実現を目指す」がマイクロソフトのビジョンとも一致していたことも理由の1つに挙げる。
マイクロソフトは近年、ディープラニング技術を利用した音声認識や画像認識で研究成果を挙げている。マルーバの買収を機に、マシンリーディング(機械読み込み)やマシンライティング(機械書き込み)の研究も一段と推進するとしている。
マルーバの研究チームは、人の脳の本質的な機能の一部(記憶、常識推論、好奇心、意思決定)をモデリングすることで、言語理解における根本的な問題の一部に対処している。マイクロソフトはマルーバの買収により、「対話型AIの研究の可能性が大きく広がる」と期待している。
マルーバは、CEO(最高経営責任者)のサム・パスパラク氏とCTO(最高技術責任者)のカヒア・スルマン氏が共同で創業。マルーバは買収後、マイクロソフトが2016年9月に新設したAI and Research Groupに加わる。
この他、マイクロソフトはディープラーニングの世界的な権威で、モントリオール・インスティテュート・フォー・ラーニング・アルゴリズムのトップを務め、マルーバの顧問であるヨシュア・ベンジオ氏を、マイクロソフトの顧問に迎えることも明らかにした。
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