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トラブルシューター泣かせのイベントログメッセージ(その1)――重大な翻訳ミス山市良のうぃんどうず日記(84)(1/2 ページ)

Windowsで何かトラブルがあった場合、「イベントログ」の確認はトラブルシューティングの基本の1つ。でも、そのイベントログに記録された不可思議なイベントのせいで、トラブルの解決が遅れることも……。

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もしも、友人からこんな相談を受けたら……

 あなたが周りからPCやWindowsに詳しいと一目置かれているのなら、友人から、あるいは会社の上司や同僚から、Windowsのトラブルに関する相談を受けることがあるでしょう。もし、Windows 8.1やWindows 10のユーザーから、以下のような相談を受けたとしたら、どう対応しますか。

“新しいWindowsのアプリっていうの? どうしても起動しないやつがあるんだけど。何かパッと表示された後、すぐに消えちゃうんだ。ログを見たらライセンス認証が失敗しているみたいなんだけど、どうすれば直せるの?”

 “新しいWindowsのアプリ”というのは、従来のデスクトップアプリケーションとは異なる、Windows 8から導入された「ストアアプリ」のことです。ストアアプリの他にも、「メトロアプリ」「メトロUIアプリ」「モダンアプリ」などと呼ばれることもあります。Windows 10からは、「ユニバーサルWindowsプラットフォームアプリ」(略してUWPアプリ)というのが正式なようです。呼称がコロコロ変わるだけでも問題をややこしくしていますが、この相談もなさそうで、ありそうなトラブルです。

 ストアアプリの問題とライセンス認証の問題、一見、関係がありそうでもありますし、全く別の問題のようにも思えます。ストアアプリだから、ストアに登録されている「Microsoftアカウント」の認証関係に問題があるのではと考える人も多いでしょう。そうでなければ、Windowsのライセンス認証の問題と想像する人がいるかもしれません。

 結論から言うと、どちらもライセンス認証は関係ありません。Microsoftアカウントの再認証を試すことを勧めたり、Windowsのライセンス認証を確認してもらったりといった回答は、全く的外れです。

 ただ、こうしたアプリが起動しない問題はWindows 8以降、よく聞くトラブルです(理由は定かではありませんが)。今回は、アプリの修復方法は説明しませんが、その原因を探ってみたいと思います。筆者なら、別のユーザーを新たに作成して試してみる、可能ならアプリを削除して、同じアプリを再インストールしてみるなどして、問題の切り分けや解決を試みるでしょう。

友人が見たライセンス認証失敗の証拠とは?

 さて冒頭で、相談者がアプリの起動問題とライセンス認証を関連付けて考えた理由は、「イベントビューアー」でトラブルの原因を自分で探そうと試みたとき、偶然にも「アプリケーションとサービスログ」−「Microsoft」−「Windows」−「Apps」の下に画面1のようなイベントを発見したからです。

画面1
画面1 アプリのエラーとともに記録される、数多くのライセンス認証失敗のイベント

 Windowsに詳しくなければここまで深い場所を見ないかもしれませんが、Windows 8.1やWindows 10のPCをお持ちなら、イベントビューアーを開いてみてください。以下のようなエラーイベントを目にするはずです。

  • エラー<理由>によりアプリをライセンス認証できませんでした。
  • エラー<理由>により、アプリ<アプリ名>を<コントラクト名>コントラクトに対してライセンス認証できませんでした。
  • <理由>により、<コントラクト名>コントラクトに対するアプリ<アプリ名>のコントラクトヘルパーによるライセンス認証に失敗しました。
  • コントラクトに対するアプリ<アプリ名>のライセンス認証がタイムアウトしました。

 ちなみに、これらのイベントはアプリを問題なく普通に使えている状況でも、よく記録されます。例えばアプリを起動直後に、スプラッシュ画面(冒頭の相談で「何かパッと表示された」という画面はこれのこと)で「×」ボタンをクリックして取り消したときも記録されます。なお、「コントラクト」も分かりにくい用語ですが、アプリから呼び出す“アプリの共通部品のようなもの”(ファイルを開く、連絡先、共有、検索など)と思ってください。

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