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【PostgreSQL】最低限設定しておくべきログ関連パラメータ3選データベースサポート最前線の現場から(8)(1/3 ページ)

データベース管理システムの運用でトラブルが発生したらどうするか。データベースサポートスペシャリストが現場目線の解決Tipsをお届けします。今回は、PostgreSQLの障害発生に備えて設定しておくべき「3つのログ関連パラメータ」を紹介します。

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※本連載は、アシストのデータベースサポートスペシャリストによる「Database Support Blog」より、提供社の許可の下、一部修正して転載するものです。

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 今回は、PostgreSQLの障害発生に備えて設定しておくべき3つのログ関連パラメータを紹介します。これらのパラメータを設定しておくことで、障害発生時にその状況を詳細に把握できます。逆に、設定しておかないと障害の原因や対策が困難になります。ぜひ忘れずに設定しておきましょう。

 PostgreSQLのログ出力には、Linux系システムならばsyslog、Windows系システムならばeventlogのログ機能なども選択できますが、今回はPostgreSQL独自のログ機能を活用してみましょう。

3つのログ関連パラメータを設定しておく

 設定しておくべきログ関連パラメータの設定は以下の3つです。

  • 1:logging_collector=on
  • 2:log_line_prefix='[%t]%u %d %p[%l]'
  • 3:log_min_duration_statement=<許容できないレスポンス時間(ミリ秒)>

 これら3つのパラメータを「postgresql.conf」に設定することで、ログファイルには次のように出力されます。

[2015-08-30 20:40:26 JST]testuser postgres 3414[1]ERROR: relation "test" does not exist
[2015-08-30 20:40:26 JST]testuser postgres 3414[2]STATEMENT: create index test_ind on test(no);
[2015-08-30 21:28:20 JST] 2727[6]LOG: parameter "log_min_duration_statement" changed to "10000"
[2015-08-30 21:29:26 JST]testuser postgres 17060[1]LOG: duration: 63122.171 ms statement: select * from pgbench_accounts where aid>5000;
出力されるログの一部

 ログファイルには、調査に必要な情報である「タイムスタンプ」「接続先ユーザー名」「接続先データベース名」「プロセスID」など出力されているのが分かるでしょうか。この情報が障害発生時の状況を調べるのに最低限必要な情報です。

 具体的にどのように設定していくか、順に解説していきます。

1:logging_collector

 「logging_collector」では、標準エラー(stderr)、またはCSV書式のログ出力に送られるメッセージを取り出し、ログファイルにリダイレクトするかどうかを「on」か「off」で指定します。PostgreSQLをソースファイルからインストールした場合の初期値は「off」に設定されています。つまり、ログファイルは生成されません。

 一方、PostgreSQLをエンジンとするEnterpriseDBの「EDB Postgres」のインストールモジュールやRPMパッケージからインストールした環境の初期値は「on」に設定されています。ただし、このパラメータだけでは必要な情報が足りません。ログファイルから確認できる情報はメッセージだけで、エラーが発生した日時やユーザー名、データベース名などが分かりません。このため、後述する2つのパラメータも併せて設定する必要があります。

設定方法(Linux系システムの場合)

  • 1:PostgreSQLをインストールしたOSユーザーに接続
# su - <PostgreSQLをインストールしたOSユーザー名>
  • 2:「PGDATA/postgresql.conf」を開き、logging_collectorの値がoffだった場合は、「on」に修正する
  • 3:PostgreSQLを再起動する
$ pg_ctl restart

設定方法(Windows系システムの場合)

  • 1:PostgreSQLをインストールしたOSユーザー、あるいはAdministratorユーザーでログインする
  • 2:「PGDATA(*)/postgresql.conf」を開き、logging_collectorの値がoffだった場合は、「on」に修正する
  • 3:「管理ツール」→「サービス」→「PostgreSQL」から、PostgreSQLを再起動する
*:「PGDATA」は、データベース格納領域であるデータベースクラスタのパスを設定する環境変数

ログファイルの出力例

 初期設定では、PGDATA/pg_log/以下に「postgresql-%Y-%m-%d_%H%M%S.log」のファイル名でログファイルが生成されます。

 「test_ind索引を作成しようとして失敗した」際に生成されたログファイルの内容は以下の通りです(例1)。

LOG: database system was shut down at 2015-08-30 20:23:22 JST
LOG: database system is ready to accept connections
LOG: autovacuum launcher started
ERROR: relation "test" does not exist <--
STATEMENT: create index test_ind on test(no);
例1 test_ind索引を作成しようとして失敗した際に生成されたログファイルの内容

 例1では、4行目で「relation "test" does not exist」というエラーが発生したことを確認できます。しかし、このエラーが、いつ、どのデータベースで発生したのかまでは分かりません。トラブル調査を行うには、もっと詳細な情報が必要です。

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