シトリックス、「Citrix Cloud」の国内提供を開始:「VDI as a Service」を実現
シトリックス・システムズ・ジャパンが「Citrix Cloud」の提供を開始した。「XenDesktop」や「XenApp」「XenMobile」「ShareFile」などを一元管理するサービス基盤を、クラウドサービスとして提供する。
シトリックス・システムズ・ジャパンは、「Citrix Cloud」の提供を2017年2月22日に開始したと発表した。Citrix Cloudは、同社の「XenDesktop」や「XenApp」「XenMobile」「ShareFile」など、仮想デスクトップや仮想アプリケーション、ファイル同期/共有といったワークスペースサービスの配信を一元管理するサービス基盤を、クラウドサービスとして提供するもの。アプリケーションやデータ、ネットワークを安全に管理する包括的な統合プラットフォームとして、初期コストを抑えながら迅速に導入し、アプリケーションを柔軟に展開できる。
同時に、既存のXenAppまたはXenDesktopのライセンスを所有し、Citrix Cloudへの移行を希望するユーザーに向けた「トレードアップパッケージ」を2017年6月末までの期間限定で提供することも明らかにした。従来のシトリックス製品とCitrix Cloudの両方を同時に利用でき、2年間のサポートが受けられる。
Citrix Cloudは、既存のシトリックス製品と同様に、仮想マシンを展開するインフラとして、プライベートクラウドやパブリッククラウド、マルチクラウド、ハイブリッドクラウドの他、オンプレミスを選択できる。また、複数の拠点に散在するインフラも一元的に管理できる。
併せて、ワークスペースやワークロードの管理ツール群「Smart Tools」ファミリーも提供する。Smart Toolsは、「Smart Build」「Smart Migrate」「Smart Check」「Smart Scale」の4つのコンポーネントで構成される。
- Smart Build:展開向けのツール。手順書に沿って自動的に展開する
- Smart Migrate:移行ツール。アプリケーションイメージやポリシー設定を引き継いだまま移行できる
- Smart Check:システム環境のチェック/分析ツール。導入の際に発生する問題を把握、解決できる
- Smart Scale:負荷に応じて仮想マシンの処理性能を増減(スケール)するツール。パブリッククラウドやハイパーコンバージドインフラストラクチャ上で、XenAppやXenDesktopのワークロードをスケールさせる。利用状況や負荷、ピーク時間に合わせて、自動的に仮想マシンの電源を管理する
さらに、Citrix Cloudでは、XenAppやXenDesktopなどのシトリックス製品を年間サブスクリプションのSaaS(Software as a Service)としても提供する。サービスパッケージは3つで、それぞれ以下の通り。
- Secure Browser Service:Webブラウザを仮想アプリケーションとして配信するサービス。エンドポイントでの設定なしで、Webや別のSaaSアプリケーションに、安全にリモートアクセスできる
- XenDesktop Service:仮想デスクトップサービス
- XenApp & XenDesktop Service:仮想アプリケーションサービスと仮想デスクトップサービス
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