Ubuntuで実践する「DRBD 9環境」構築マニュアル:DRBDの仕組みを学ぶ(15)(2/4 ページ)
DRBDを軸に、データを遠隔地にも即時複製して万が一の事態に備える「冗長化/高可用性システム」の構築テクニックを紹介する本連載。今回は、DRBDの最新版「DRBD 9」環境の構築手順を解説します。
DRBD 9をインストールする
3台のサーバへDRBD 9をインストールしていきます。
hostsに追記する
まず、「hosts」ファイルへサーバ情報を追記します。「/etc/hosts」に、DRBD9をインストールする3台分の情報を追加します。IPアドレスなどは自身の環境に応じて適宜読み替えて設定してください。
# vi /etc/hosts <省略> 192.168.0.101 DRBD9-1 192.168.0.102 DRBD9-2 192.168.0.103 DRBD9-3
以降、サーバ名:DRBD9-1を「一号機」、DRBD9-2を「二号機」、DRBD9-3を「三号機」と表記します。
公開鍵の作成と鍵交換
一号機で公開鍵を「ssh-keygen」コマンドで作成します。デフォルト設定のままで全てEnterキーで構いません。
# ssh-keygen -t rsa Generating public/private rsa key pair. Enter file in which to save the key (/root/.ssh/id_rsa): Created directory '/root/.ssh'. Enter passphrase (empty for no passphrase): Enter same passphrase again: Your identification has been saved in /root/.ssh/id_rsa. Your public key has been saved in /root/.ssh/id_rsa.pub. The key fingerprint is: 1d:b1:e3:e1:33:dc:eb:62:9c:bb:dd:41:45:b4:3e:bc root@DRBD9-1 The key's randomart image is: +--[ RSA 2048]----+ | . .o| | o ..| | = ..| | = = o. | | S B . .+ | | o o o| | . .. .E | | =o . . | | .o+o . | | | | | +-----------------+ #
続いて、3台のサーバで鍵交換をします。一号機で以下のコマンドを実行します。
# ssh-copy-id -i .ssh/id_rsa.pub root@192.168.0.101 # ssh-copy-id -i .ssh/id_rsa.pub root@192.168.0.102 # ssh-copy-id -i .ssh/id_rsa.pub root@192.168.0.103
「Are you sure you want to continue connecting (yes/no)?」と聞かれるので、「yes」を入力し、サーバへのログインパスワードを3台分それぞれ入力します。
LVM領域を作成する
次に「LVM(Logical Volume Manager)領域」を作成します。LVM領域は、DRBD Manageを使用してDRBD 9環境を作成する場合に必要となる領域です。
LVM領域は新たに追加したボリューム「/dev/sdb1」へ作成します。「pvcreate」コマンドで初期化して、「vgcreate」コマンドで「drbdpool」という名称のボリュームグループを作成します。
# pvcreate /dev/sdb1 Physical volume "/dev/sdb1" successfully created. # vgcreate drbdpool /dev/sdb1 Volume group "drbdpool" successfully created
リポジトリを追加する
DRBD9とDRBD Manageをインストールするためのリポジトリを追加します。リポジトリ追加後、パッケージリストも更新します。
$ sudo add-apt-repository ppa:linbit/linbit-drbd9-stack $ sudo apt update
DRBD9とDRBD Manageをインストールする
DRBD9とDRBD Manageをインストールします。
$ sudo apt-get install drbd-utils python-drbdmanage drbd-dkms
以上でDRBD 9とDRBD Manageのインストール作業は完了です。続いて、DRBD 9環境の構築作業に移ります。
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