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老朽化したデータベースを刷新したのに、かえってアプリケーションのレスポンスが悪くなった(パフォーマンストラブル)SQL Serverトラブルシューティング(43)(2/2 ページ)

本連載は、「Microsoft SQL Server」で発生するトラブルを「どんな方法で」「どのように」解決していくか、正しい対処のためのノウハウを紹介します。今回は「データベース刷新でアプリケーションのレスポンスが悪くなった事例とその対処方法」を解説します。

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解決方法

 今回のトラブルは、以下のどちらかで対処します。

  • アプリケーションロジックを見直してメモリを使わない設計にする
  • サーバにメモリを追加する

 一般的に、前者は困難です。SQL文で記述された処理はSQL Server内で実行プランに変換されますが、指定する条件や実行時の状態に応じて必要となるメモリ量が変わり、それらを予測するのが難しいためです。今回の事例においては物理メモリを追加して対処することが好ましいと言えます。

 メモリはどれだけ必要なのか。当然、システムの稼働状況や規模などによって諸説ありますが、筆者は「コア数×4GB以上」を目安に、他のプロセスやサービスも動いているサーバならば、その分をギガバイト単位で追加していくようにしています。

 ただし、システム稼働前に搭載メモリ量が適正かどうかを机上計算することは難しいので、本番稼働前にパフォーマンステストを行って、メモリ不足に陥らないか、適切なパフォーマンスで動けているか確認するのが定石です。

 全体処理を確認するパフォーマンステストを怠ってしまうと、本番稼働後に問題が露呈し、テスト時に確認するよりも対処に時間と、人件費を含めたコストが余計に発生することになってしまうので気を付けてください。なお、メモリについては、メモリ内のページロック権限付与を行うことでページングによるパフォーマンス劣化を防ぐこともできます。

 次回は、「業務処理全体が遅くなったケース」のまた別の例を解説します。


本トラブルシューティングの対応バージョン:SQL Server全バージョン

筆者紹介

内ヶ島 暢之(うちがしま のぶゆき)

ユニアデックス株式会社 NUL System Services Corporation所属。Microsoft MVP Data Platform(2011〜)。OracleやSQL Serverなど商用データベースの重大障害や大型案件の設計構築、プリセールス、社内外の教育、新技術評価を担当。2016年IoTビジネス開発の担当を経て、2016年現在は米国シリコンバレーにて駐在員として活動中。目標は生きて日本に帰ること。

椎名 武史(しいな たけし)

ユニアデックス株式会社所属。入社以来 SQL Serverの評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。SQL Serverのトラブル対応で社長賞の表彰を受けた経験も持つ。休日は学生時代の仲間と市民駅伝に参加し、銭湯で汗を流してから飲み会へと流れる。


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