マークロジック、NoSQLデータベース「MarkLogic 9」正式版をリリース:開発者向け「無償エディション」も提供
マークロジックが、NoSQLデータベースプラットフォームの最新版「MarkLogic 9」をリリース。開発者向けの「無償エディション」も用意する。
米マークロジックは2017年5月17日、NoSQLデータベースプラットフォームの最新版「MarkLogic 9」の提供を開始した。
MarkLogicは、構造化と非構造化データの両方に最適化したNoSQLデータベースプラットフォーム。従来のリレーショナルデータベースの特徴であるデータの完全性や一貫性を備えつつ、非構造化データにも最適化することで、JSON、XML、RDF、位置情報データ、テキスト、ラージバイナリなど、異なる構造のデータも統合して扱える。MarkLogic 9では、企業が「次のアクションにつながる知見」(360度ビュー)を容易に得られるよう、データ統合、セキュリティ、運用管理効率化に関する機能を強化。クラウド、オンプレミス、どちらにも実装できる。
データ統合機能には、ドキュメント、グラフ、行を組み合わせた統合クエリインタフェースを提供する「Optic API」と呼ばれる機能を新たに実装した。
セキュリティ機能も強化。例えば、ドキュメントの特定部分へのアクセスを制御する機能を実装し、JSONプロパティやXML要素へのアクセスを制御できるようにした。「ユーザーの権限に応じて、JSONやXMLの特定の部分を非表示にする」「機密情報部分をマスクしてデータをエクスポートする」といった制御が可能になる。
運用効率化機能では、「クラスタ環境で運用」「クラウドとオンプレミスのハイブリッド環境で運用」「テスト環境と実運用環境を分けて運用」などの運用シーンに向け、MarkLogicプラットフォーム全体を一元管理できるツール「Ops Director」が用意された。Ops Director上で、クラスタやホスト、データベース、アプリケーションサーバを一元監視。それらのディスクI/O、CPU、メモリ、ネットワーク、データベースなどの状況も分析できる。
MarkLogic 9のクラウド版は、Amazon Web Services、Microsoft Azure、Google Cloud上で利用可能。併せて、MarkLogic対応アプリケーション開発者向けに、データ容量を1TBまでに制限しつつも、全ての機能を無償で利用できる「Developerエディション」も提供する。Developerエディションは同社のWebサイトからダウンロード可能だ。
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