行くと決めたら最短距離――23歳、UIデザイナーの「大学不要論」:まだ君は間に合う! 現役エンジニアに聞く、学生のときにやっておくべきこと(13)(1/3 ページ)
初めての端末はiPad、大学を中退して専門学校へ再入学、しかしそこもすぐに休学して……自らの価値観を信じ、型破りな人生を疾走する若きUIデザイナーの考える「若者の特権」とは。
「行くと決めたら、最短距離を進みたい」――強い意志と実行力で自ら道を切り開き、フリーランスのデザイナーとしてスマホアプリのUIデザインに携わっているのが河野彩子さん(23歳)だ。
同期の友人たちが就職活動にいそしんだり、駆け出し社会人だったりという一方で、TicketCampのアプリリニューアルや家庭教師のトライが展開する「Try It」の立ち上げに関わり、「Google ベストアプリ」も受賞している河野さん。
だが、実は「大学に入るまでPCの経験はありませんでした。デザインを学ぼうと決めたときも、学生でお金がなかったので、インターネットで一生懸命安いものを探して購入したiPadで始めました」という。そんな彼女は、どうやって今の場所にたどり着いたのだろうか?
2回の休学を経て、インターンでデザインの現場へ
河野さんは、もともとイラストやデザインが趣味で、学園祭用にポスターや新聞をデザインしたこともあった。
しかし、「デザイナーというのは特殊な職業で、恐らく食べていけないと思っていたので、普通に就職しようと考えていました」と、アルバイトに打ち込みつつ普通の高校生活を送っていた。進路も無難に法学部を選択した。
だが、大学でビジネス系サークルに参加したことが運命を変える。起業を志す学生たちと交流し、情報を知る中で、「世の中にはユーザーインタフェース(UI)デザインという分野があり、しかもとても実用的なものだ」ということを知るようになる。
「ぜひこれを仕事にしたいと思ったんですが、今通っている学部ではUIデザインは勉強できないし、デザイナーにはなれないだろう。ならばデザイン系の学校に行こう」と即断。大学は休学し、中学時代の美術の教諭に頼み込んで生徒と一緒にデッサンをしながら受験勉強に取り組み、翌春、デザイン専門学校に再入学した。
そこでまた知ったのが、インターンという制度だ。
「学校に行って学ばなければデザイン会社には入れないと思っていたのですが、UIデザインは、働いた方が早いということに気付きました。どうしても行きたい会社があったので、まずインターンとして採用していただき、その後正式に働き始めました」
持ち前の行動力もさることながら、起業サークルに参加し、進路は一本道ではないと知ったことが一連の行動を後押ししてくれた。周りには学校を休学、中退して起業を試みる人が多かったため、学校を辞めて働くという選択肢は、自然と彼女の中にあった「失敗するかもしれないけれど、その過程で得る経験はきっと何かに生かせるはず、そんなふうに『失敗をこわがらなくてもいい』と知ったことが大きいですね」
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