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DNSのリゾルバ/キャッシュ/フォワーダ機能超入門DNS(2/2 ページ)

今回は、DNSサーバのクライアント側であるリゾルバやキャッシュの機能について見ていく。リゾルバは、コンテンツDNSサーバに繰り返し問い合わせて名前解決を図る。

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 以下、DNSに関して幾つか補足しておく。

[補足]DNSラウンドロビン機能

 DNSラウンドロビンとは、1つのドメイン名やホスト名に対して、複数のIPアドレスを割り当てて、負荷分散を図る方式である。ドメインのAレコードを定義する場合、通常は1つの名前に対して1つのIPアドレスを割り当てるが、これを複数割り当てることもできる。こうしておくと、DNSの問い合わせ結果には割り当てたIPアドレスが全部返されるが、2回目以降はその並びが少しずれていることが分かる。これを「DNSラウンドロビン」という。

C:\>nslookup microsoft.com …DNS検索してみる
サーバー:  server01.example.jp
Address:  10.20.2.101

権限のない回答:
名前:    microsoft.com
Addresses:  23.100.122.175 …IPアドレスが5つ返ってきた
          23.96.52.53
          191.239.213.197
          104.40.211.35
          104.43.195.251

C:\>nslookup microsoft.com …もう一度同じ検索を繰り返す
サーバー:  server01.example.jp
Address:  10.20.2.101

権限のない回答:
名前:    microsoft.com
Addresses:  23.96.52.53 …IPアドレスがやはり5つ返ってきた。よくみると、1つ分ずれている
          191.239.213.197
          104.40.211.35
          104.43.195.251
          23.100.122.175

C:\>



 クライアントプログラムでは返ってきた結果のうち、いずれを使ってもよいが、通常はどれか1つ、例えば先頭のエントリを使うだろう。

 その結果、DNSで問い合わせを行うたびに異なるIPアドレスを使うことになる。多数のクライアントがあれば、利用されるIPアドレスはさらに分散することになる。

[補足]ルートヒント

 DNSによる名前解決はルートから階層的にドメインツリーをたどることによって行われるが、このルートゾーンに関するSOAレコードを持っていて、全ての検索の元となるDNSサーバをルートサーバという。ルートサーバの情報は、OSのインストール時などにデフォルトでシステムにセットされているが、時々更新されることもある。

 Windows Server OSの場合は、DNSサーバ管理ツールで[ルートヒント]タブを開くと確認できる。

DNSのルートヒント情報
DNSのルートヒント情報
全てのドメインの起点となるルートドメインのSOAレコードや、TLDのネームサーバ情報などを保持しているDNSのルートサーバの情報。全部で13台が定義されている。
  (1)日本のJPNICが管理しているサーバもある。

[補足]優先DNSサーバと代替DNSサーバ

 プライマリDNSサーバやセカンダリDNSサーバに似た言葉として、「優先(Preferred)DNSサーバ」「代替(Alternate)DNSサーバ」という用語もある。ネットワークインターフェースアダプターのプロパティ画面を開き、TCP/IPv4のプロパティ画面を見ると、DNS欄にこの2つのIPアドレス情報を入力する場所が表示されている。

TCP/IPのプロパティ画面におけるDNSサーバの設定項目
TCP/IPのプロパティ画面におけるDNSサーバの設定項目
DNSサーバとして「優先DNSサーバー」と「代替DNSサーバー」の2つを設定することができる。DHCPによる自動設定を選択している場合はここで明示的に指定しなくてもよいが、最終的には、DHCPサーバ側でこの2つのサーバ欄の値を指定していることになる。
  (1)優先されるDNSサーバ。DHCPサーバ側で指定する場合は、DNSサーバのリストのうち、先頭のものがこの「優先DNSサーバー」の設定内容として扱われる。
  (2)優先DNSサーバが利用できない場合に、代替の役割を果たすDNSサーバ。DHCPサーバ側で指定する場合は、DNSサーバのリストのうち、2番目以降のものがこの「代替DNSサーバー」として扱われる。

 だがこの2つは、DNSサーバの種類とは全く関係ない。TCP/IPのプロパティ画面ではDNSサーバのIPアドレスを2台分入力できるが(複数のインターフェイスがある場合は、そこでもセットできる)、これはどのDNSサーバを優先して利用するかを決めるためのものである。

 DNSサーバを複数セットした場合、最初に優先度の高いインターフェイスの優先DNSサーバが使われ、応答が得られなければ、次は代替DNSサーバ、他のインターフェイスのDNSサーバ、……という順番でDNS検索が行われる。詳細については、以下のページを参照していただきたい。

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