国内ソフトウェア市場が高成長、2021年までに3兆3300億円規模に:IoT・AI・ビッグデータ関連分野がけん引、クラウドネイティブ製品が本格化
IDC Japanが国内ソフトウェア市場の2016年の実績と2017〜2021年の予測を発表。2016年は対前年比2.2%増でビッグデータ関連製品が高成長。2021年まで年平均成長率4.3%で成長すると見られ、IoTやAIシステムをはじめとする企業のデジタルトランスフォーメーションの取り組みがソフトウェア市場に新たな市場機会をもたらすと予測した。
IDC Japanは2017年6月26日、国内ソフトウェア市場の2016年実績と2021年までの市場予測を発表した。
2016年の市場規模は対前年比2.2%増の2兆6957億9700万円。2017年はさらに成長し、同3.9%増と見込まれる。また、2021年までのCAGR(Compound Annual Growth Rate:年間平均成長率)を4.3%とし、2021年の市場規模は3兆3342億円に達するとIDCは予測した。
2016年の前年比成長率をカテゴリー別で見ると、アプリケーション市場が2.1%、アプリケーション開発/デプロイメント市場が5.3%、システムインフラストラクチャ市場が0.3%で、アプリケーション開発/デプロイメント市場の成長率が特に高かった。このカテゴリーは、企業のビッグデータに対する取り組みが本格化し、それに応じたデータ管理ソフトウェアやアナリティクスソフトウェアへの需要増が高い成長をもたらしたと分析されている。
一方、2016〜2021年のCAGRをカテゴリー別に見ると、アプリケーション市場が3.3%、アプリケーション開発/デプロイメント市場が6.7%、システムインフラストラクチャ市場が4.1%になるとIDCは予測。企業のビッグデータに対する取り組みがさらに高まり、データ管理ソフトウェアとアナリティクスソフトウェアの成長は今後も高止まりするとみられる。また、企業のAI(Artificial Intelligence:人工知能)活用も需要増が予測されることから、アプリケーション市場でもAIシステムやコンテンツアナリティクスの分野が急速に拡大すると予測される。
システムインフラストラクチャ市場では、SDN(Software-Defined Network)やSDS(Software-Defined Storage)の導入が本格化すると予測される他、標的型サイバー攻撃対策に向けたセキュリティソフトウェアへの投資も拡大すると見られている。
IDC Japanでソフトウェア&セキュリティのリサーチマネージャーを務める入谷光浩氏は、「クラウドやビッグデータ・アナリティクスなどの“第3のプラットフォーム”はソフトウェア市場の成長に大きく寄与している。今後は、デジタルトランスフォーメーション(DX)に向けたIoT(Internet of Things)やコグニティブ・AIシステム、ロボティクスなどイノベーションアクセラレーターの活用拡大がソフトウェア市場に影響を与え、ITサプライヤーのソフトウェアとクラウドビジネスに新たな市場機会をもたらす」と総括している。
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