国内IT市場、2020年まで年平均0.8%成長と予測──IDCジャパン:「Windows 7サポート終了」起因、オリンピック開催年ながらも低調予測
IDCジャパンが2020年までの国内IT市場予測を発表。オリンピック開催年で景気が上向く期待に反し、2020年まで年平均0.8%のほぼ横ばい成長が見込まれる。
IDCジャパンは2016年8月12日、2016年および2020年までの国内IT市場の製品別市場予測を発表した。2016年の国内IT市場規模予測は対前年比0.2%増の約14兆7973億円。ITサービス市場やパッケージソフトウェア市場はプラス成長を確保するものの、ハードウェア市場でマイナス成長が見込まれる。
ハードウェア製品市場は全体で対前年比3.1%減の約6兆3538億円とみられ、低調傾向。エンタープライズネットワーク機器カテゴリーのみがプラス成長と見込まれる。
一方のITサービスとパッケージソフトウェア市場は、それぞれ対前年比2.1%増の5兆5003億円、同4.4%増の2兆9432億円と予想される。なお、国内IT市場に国内通信サービス市場を加えた2016年の国内ICT市場では、対前年比0.2%減の25兆4960億円と微減成長が見込まれる。
2020年までの国内IT市場の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は0.8%、同じく国内ICT市場のCAGRはマイナス0.3%と、ほぼ横ばいと予測される。2020年の市場規模予測はそれぞれ15兆4007億円、25兆1630億円となる。
こうした低成長を見込む理由に同社は、「2020年1月のWindows 7のサポート終了」を挙げている。2019年にWindows 7の更新需要で投資額は増えるものの、その後の反動で2020年はPC市場が大幅なマイナス成長になると予測される。PC市場は米国でも縮小傾向にあるが、米国では「第3のプラットフォーム」市場関連の投資増によって、ソフトウェア市場などでそれを上回る成長が予測されている。一方の日本では「このまま、現状のIT戦略が続く」ならば、オリンピック開催という景気の上昇時期においても、PC市場のマイナス成長を上回る第3のプラットフォーム関連の戦略的IT投資増が期待できない状況にある。「ITサプライヤーはITプロフェッショナル/ユーザー企業に対し、第3のプラットフォームを活用した戦略的IT投資を加速させるためのデジタルトランスフォーメーション施策を推進していくべきだ」と、同社は提言している。
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