CiscoとGoogleが提携、ハイブリッドクラウドソリューションの提供を発表:Google Cloud Platform、Kubernetes、Istio、Apigee
Cisco SystemsとGoogleは共同で、顧客がクラウドおよびオンプレミス環境への投資を最大限に活用できるよう支援するハイブリッドクラウドソリューションを提供する。
Cisco Systems(以下、Cisco)とGoogleは2017年10月25日(米国時間)、「顧客がクラウドおよびオンプレミス環境への投資を最大限に活用できるよう支援するハイブリッドクラウドソリューションの提供」を目的に提携を結んだと発表した。
両社は、顧客がオンプレミス環境とGoogleのパブリッククラウド「Google Cloud Platform」において、アプリケーションやサービスのデプロイ、管理、セキュリティ確保を行えるオープンハイブリッドクラウドソリューションを提供する。このソリューションはクラウドならではのスピードとスケーラビリティ、エンタープライズクラスのセキュリティを実現するとしている。
企業は、ワークロードの実行、セキュリティ確保、モニタリングを行えるようになり、既存投資の最大限の活用や、自社に合ったペースでクラウドへの移行計画の作成、ベンダーロックインの回避が可能だという。また同じ開発ツール、ランタイム、本番環境を一貫して利用し、クラウドまたはオンプレミスで新しいアプリケーションを開発できるようになるとしている。
CiscoとGoogleのハイブリッドクラウドソリューションの具体的な特徴は以下の通り。
- オーケストレーションと管理
ハイブリッド環境全体にわたるポリシーベースの「Kubernetes」による、オーケストレーションとリソース、アプリケーション、サービスのライフサイクル管理が可能になる - ネットワーキング
ネットワークポリシーおよび構成を、複数のオンプレミスおよびクラウド環境に拡張できる - セキュリティ
セキュリティポリシーを拡張し、アプリケーションの挙動をモニタリングできる - 可視化とコントロール
ネットワークおよびアプリケーションパフォーマンスのリアルタイムなモニタリングとコントロールの自動化ができる - クラウド対応インフラ
既存アプリケーションとクラウドネイティブのKubernetes環境をサポートするハイパーコンバージドプラットフォーム - 「Istio」によるサービス管理
オープンソースの「Istio」によって、マイクロサービスの接続、セキュリティの確保、管理、モニタリングを一元的に行える - API管理
GoogleのAPI管理プラットフォーム「Apigee」により、オンプレミスで実行されるレガシーワークロードをAPI経由でクラウドに接続できる - 開発者支援
Ciscoの「DevNet Developer Center」によって、開発者はハイブリッドクラウド環境でコーディングを行うためのツールやリソースを活用できる - サポート
ソリューションの技術サポートを両社が連携して提供
CiscoのCEOを務めるチャック・ロビンス氏は、「われわれとGoogleの提携によって、クラウドが提供し得る最高のもの、すなわちアジリティとスケーラビリティを、エンタープライズクラスのセキュリティおよびサポートとともに顧客に提供する。また、われわれとGoogleは、『オープンで安全な環境がイノベーションを促進する』というハイブリッドクラウドに関するビジョンを共有している」と述べている。
GoogleのGoogle Cloud担当CEOを務めるダイアン・グリーン氏は、「GoogleとCiscoの共同ソリューションは、クラウドのメリットを手軽に、徐々に活用していくアプローチを容易にする。これは、顧客から寄せられる要望に応えたものだ」と述べている。
CiscoとGoogleのハイブリッドクラウドソリューションは2018年の早い時期に、限られた顧客向けに提供開始され、同年中に一般提供が開始される。
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