AWS、MicrosoftやFacebookなどが推すAIフォーマット「ONNX」をサポート:ディープラーニングモデルのオープンフォーマットのエコシステムが拡大
ディープラーニングモデルのオープンフォーマット「ONNX」をサポートする、MicrosoftやFacebookなどの企業グループにAmazon Web Services(AWS)が加わった。
MicrosoftとFacebookは2017年11月16日(米国時間)、ディープラーニングモデルのオープンフォーマット「ONNX(Open Neural Network Exchange)」を、Amazon Web Services(AWS)がサポートしたことを明らかにした。
ONNXは、MicrosoftとFacebookによって共同で開発され、2017年9月に発表されたもの(参考)。異なるディープラーニングフレームワーク間で人工知能(AI)モデルの相互運用性を実現し、AIの開発、デプロイの負担を軽減する。両社の呼び掛けに応え、2017年10月にはAMD、ARM、Huawei、IBM、Intel、QualcommがONNXのサポートを表明している。
AWSは、新たにONNXで「Apache MXNet」をサポートし、ONNXを推進するグループに加わった。ONNXのオープンエコシステムには、「ディープラーニングに取り組む開発者が当面のタスクに応じて、ツールを最適なものに簡単に切り替えることができる」メリットがあるという。
ONNXは、Microsoftのディープラーニングツールキット「Cognitive Toolkit(旧称CNTK)」をはじめ、オープンソースソフトウェアのディープラーニングフレームワークである「Caffe2」「PyTorch」などをサポートしてきたが、AWSの貢献によってApache MXNetもサポート対象に加わった。
Microsoftは、オープンなAIエコシステムによって、使用するプラットフォームや言語にかかわらず、全ての開発者にAIの進化の恩恵を行き渡らせることで、AIがますます利用しやすく、ますます価値あるものになると考えている。
「ONNXや、Microsoft AzureのAIサービス、インフラ、ツール――例えばAzure Machine Learning、最近発表したVisual Studio Tools for AIなどによって、開発者やデータサイエンティストは、新しいエキサイティングなAIイノベーションをより迅速に実現できるようになる」(Microsoft)
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