AIが住民の質問に回答――IBM Watsonを利用した「自動会話プログラム」による住民サービスが岡山県和気町で開始:人型ロボット「Pepper」とも連携
岡山県和気町とキャメルは、移住希望者に向けた住民サービス「わけまろくん」を共同で開発した。和気町に関する利用者の質問に対して的確な情報を自動で案内する。開発には、キャメルのIBM Watsonを利用して質問に回答するチャットbot「Edia」を利用した。
岡山県和気町とキャメルは2017年11月21日、移住希望者に向けた住民サービス「わけまろくん」を共同で開発したと発表した。同サービスの運営は同年11月22日に開始した。
わけまろくんは、LINEやWebサイト上で動作する対話形式の自動応答サービス。サービスの開発には、キャメルが提供する「IBM Watson」を利用して質問に回答するチャットbot「Edia」を利用した。
わけまろくんは、和気町に関する質問に対して的確な情報を自動で24時間いつでも案内する。同町の温泉施設「和気鵜飼谷温泉」に設置した人型ロボット「Pepper」とも連携しており、Pepperに話しかけると、同様に的確な情報を案内する。
ごみの分別方法や水道が故障したときの対応、子育てや介護に関する相談など、これまで和気町にあった問い合わせ内容を学習させ、IBM Watsonの機能の1つである「Natural Language Classifier」(自然言語分類)を使って、利用者の質問内容から最適な回答を導く。移住定住者向けの質問を盛り込むことで、定住人口の増加を図るという。さらに自動翻訳機能も備えており、英語での質問にも対応する。
今後は、蓄積された質問履歴からわけまろくんが答えられなかった質問を精査し、学習させることで、より一層便利な住民サービスを構築するとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 計画から運用保守までを効率化――IBMが「IBM Watsonを活用した次世代超高速開発」を発表
日本IBMは2017年4月24日、「IBM Watsonを活用した次世代超高速開発」を発表した。アプリケーション開発の計画から運用保守の効率化を支援するという。 - パナソニック、ノキア、ワールプール──家電/住宅メーカーが「Watson IoT」で革新しようとしていること
IBMのIoT担当幹部がIFA2016で基調講演を行い、IBMの「Watson」のIoT技術が家電や医療をはじめとする「私たちの生活」に新たなイノベーションの波を起こしつつあることをアピールした。 - IBM Watson(ワトソン)
Watsonは、IBMが開発した人工知能システム。自然言語の質問に対して、大量のデータから最も最適となる解答を提示してくれるという。すでに医療分野や法律、顧客サポートなどで活用されている。