総務省の働きかけにより、自治体による導入が増加か――ITR、国内のインターネット分離市場規模推移および予測を発表:セキュリティ対策としての需要に注目
アイ・ティ・アールは、国内インターネット分離市場について規模の推移と今後の予測を発表した。2016年度の売上金額は、対前年度比63.6%増の33億7000万円。地方自治体で伸びる需要が、こうした成長を後押ししているという。
アイ・ティ・アール(以下、ITR)は2017年12月7日、国内インターネット分離市場について規模の推移と今後の予測を発表した。地方公共団体などの公共・公益分野での導入が支えた2016年の高成長は、2017年以降も続くとみられる。
ITRによれば、2016年の国内インターネット分離市場規模は、2015年から63.6%増の33億7000万円だった。急成長を支えたのは、公共・公益分野での導入増加だ。その背景には、2015年11月24日に総務省が出した報告書「新たな自治体情報セキュリティ対策の抜本的強化に向けて」がある。
同報告書は、日本年金機構の個人情報流出事案を受けた総務省が、マイナンバー制度の施行も見据えて地方公共団体の情報セキュリティ対策を検討したもの。その中で、インターネット分離に関するガイドラインを「インターネットのリスクへの対応」として掲載した。
ITRは、2017年について「インターネット分離の認知度が上昇し、導入先が公共・公益分野から一般企業にも広がる」としたうえで、国内インターネット分離市場の2016〜2021年度の平均年間成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)を13.6%と予測。2021年度の市場規模は約64億円に達するとみている。
ITRでシニア・アナリストを務める大杉豊氏は、「IoT(Internet of Things)の進展により、工場や制御システムのセキュリティ脅威が増していることから、今後はセキュリティ対策の一環として重要インフラを提供する企業などで導入が進むとみている。また、多重多層防御の必要性から、インテリジェンスやAI(人工知能)技術を活用した振る舞い検知型であるEDR(Endpoint Detection and Response)製品や、クラウドやIoTの進展によるシャドーIT対策としてCASB(Cloud Access Security Broker)の導入も急速に進むと予測している」と述べている。
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