Shivomがゲノムデータ保管プラットフォーム開発、ブロックチェーン技術利用しセキュリティ確保:2019年にはAI機能を実装予定
Shivomは、ブロックチェーン技術を利用してゲノムデータを安全に保管できるプラットフォームを開発したと発表した。2019年にはAI機能を実装し、AIによる健康状態の診断も目指す。
Shivomは2018年4月3日、ブロックチェーン技術を利用してゲノムデータ(遺伝子情報)を安全に保管できるプラットフォームを開発したと発表した。
ゲノムデータは希少価値が高く、高額で販売されている。Shivomでは、その点がゲノム研究の障壁になっているとしており、今回開発したプラットフォームによって、医療機関に多くのゲノムデータが提供可能になるとしている。
ユーザーは自身のゲノムデータをShivomのプラットフォームに保管できる。そのデータを医療機関などに販売することで、Shivomが独自に発行するトークンを受け取れる。ゲノムデータを売買することで、ゲノム情報を基に個々人に最適化された治療を受けることが可能になる。また、ゲノムデータを解析することで潜在的な障害や病気の早期発見にもつながる。
こうしたゲノムデータは究極の個人情報であり、データに対する強固なセキュリティが求められる。そこでShivomは、ブロックチェーン技術を活用することで、安全にゲノムデータをやりとりできるようにした。
Shivomは、今回開発したプラットフォームで世界中のユーザーから集めたゲノムデータを解析することで、予防治療を大きく変革できるとしている。これらのデータを基に、医療機関が病気や感染症の治療法に関する研究を進めることで、AIを活用した健康状態の診断を目指すという。
同社では、2018年に医療センターやデータ解析会社、製薬会社とパートナー提携を結び、今回開発したプラットフォームのα版を公開する。2019年には、同プラットフォームにAI機能を実装し、世界展開する予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「AIで使うそのデータ信頼してもいいの?」、ブロックチェーンが導く未来の生活とは
金融分野以外での活用が注目されている「ブロックチェーン」。今後、重要なインフラになる可能性もある。AIやロボティックス分野を中心にどのような使われ方が考えられるのだろうか。 - ブロックチェーン
分散型の仮想通貨システムBitcoinで使われているブロックチェーンの概要を解説。通貨だけに限らず、さまざまな分野での利用が期待されている。 - 人や企業、システム、そしてブロックチェーン同士をつなげる――富士通・阪井CMO
AIやIoT、ブロックチェーン、APIといった技術の導入によって、デジタルトランスフォーメーションの達成が求められる昨今、企業はユーザーやパートナーと“共創”することが欠かせない。富士通における取り組みを、執行役員常務 CMO グローバルマーケティング部門長の阪井洋之氏に聞いた。