スマート家電の脆弱性を診断――トレンドマイクロ、ホームネットワークの安全性を診断する無償ツールに新機能を追加
トレンドマイクロが無償提供するホームネットワークの安全性診断ツール「オンラインスキャン for Home Network」に、スマート家電の脆弱性の有無を診断する新機能を追加。スマート家電に潜む脆弱性の有無や、ホームネットワークにつながる不正デバイスの有無などを確認できる。
トレンドマイクロは2018年4月10日、ホームネットワークの安全性を診断する無償ツール「オンラインスキャン for Home Network」に、スマート家電の脆弱(ぜいじゃく)性の有無を診断する機能を追加した新バージョンを発表し、同日に提供を開始した。
昨今、スマートテレビ、スマートスピーカー、Webカメラなど、ホームネットワークに接続されるスマート家電が増加している一方で、脆弱性を持つスマート家電への攻撃が危惧されている。スマート家電に不正プログラムを感染させてbot化する「Mirai」や、スマート家電を使用不能にする「BrickerBot」など、スマート家電の脆弱性を悪用する不正プログラムが登場していることで、ホームネットワークへのセキュリティ対策は重要性が高まっている。
オンラインスキャン for Home Networkは、ホームネットワークをスキャンし、スマート家電を含めたデバイスのセキュリティリスクを確認できるツール。ホームネットワークに接続されたデバイスを可視化して、知らないデバイスがネットワークにつながっていないかどうかを確認する「コネクテッドデバイス可視化機能」や、個々のデバイスの管理ID/パスワードが簡易なものに設定されていないかどうか、Wi-Fi設定のセキュリティ強度などをチェックする「デバイス設定の診断機能」を装備する。
さらに今回、新機能として「脆弱性診断機能」を追加。ルーターやWebカメラを遠隔操作する際の脆弱性や、LinuxなどUNIXベースのOSで広く使われているシェル「Bash」を悪用する脆弱性「Shellshock」、ランサムウェア「WannaCry」が感染拡大に利用するWindowsのファイル共有プロトコル「SMB 1.0」などの脆弱性の有無を診断できるようになった。また、MiraiやBrickerBotが悪用するポートが開放されていないかどうかも診断できる。
これらの機能を利用することで、家庭内のスマート家電にサイバー攻撃を受けるリスクがないかどうかを可視化し、修正プログラムの適用や設定変更など、必要な対策を講じることができるとしている。
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