定型業務を対話とAIで自動化――DTCが「Robotics & Cognitive Automation」サービスを提供開始:RPAの次のステージへ
デロイト トーマツ コンサルティングは、「Robotics & Cognitive Automation」サービスの提供を開始する。NTTコミュニケーションズの自然言語解析AIエンジンを利用しており、会話だけで定型業務を自動化できる。
デロイト トーマツ コンサルティング(DTC)は2018年4月13日、「Robotics & Cognitive Automation」(R&CA)に関する提案や企画構想、業務コンサルティング、PoC(概念実証)、本格導入、運用保守といったサービスの提供開始を発表した。同サービスのR&CAには、NTTコミュニケーションズの自然言語解析AIエンジン「COTOHA」を活用する。
R&CAは、現在企業で業務を自動化するツールとして導入が進んでいるRPA(Robotic Process Automation)の次のステージとして位置付けられるもの。RPAは、ルールに基づいて定型的な作業を繰り返す業務の自動化に適しているものの、そのルールから外れた場合は人手による作業が発生する。一方、R&CAでは、認識技術や自然言語解析技術、学習機能などによって、曖昧な情報や不足している情報、データ化されていない情報を自動的に補うことで、高度に業務の自動化を実現できる。
今回、DTCが提供を開始するサービスは、自然な日本語での対話ができるCOTOHAを利用して、日本語で対話するだけで必要なデータを入力できる。もしも情報が不足していた場合、それを補うためにCOTOHAが自動的に質問する。
COTOHAが、対話の中から必要な情報を自動的に読み取るので、情報をシステムに投入するために所定の様式に合わせてデータを打ち込んだり、情報をシステムに読み込ませたりといった従来のRPAに必要だった作業は不要になる。さらに音声認識や音声合成システムと連携させれば、全てのプロセスを会話だけで完結させられる。
DTCでは、自然言語処理が障壁となっていた業務の自動化を進め、企業の働き方改革や生産性向上の推進を支援するという。
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