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企業やクラウドサービス事業者が採用するサーバ、5つの「Did You Know?」ビジネスにお得なサーバを探している人のための必須知識

「サーバなど、もうどれも変わらない」「サーバは安ければ安いほどいい」――。そう考えている人こそ知っていただきたい、いわば「Did You Know(知っていましたか)?」と言いたくなるポイントがある。表面的なコストではなく、TCO(総所有コスト)を下げるために、どれも欠かすことはできない。今回ご紹介したいのは、意外なほどハードウェアの差別化に執心する、サーバベンダーの話だ。

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 Dell EMCのサーバ事業が好調だ。今年3月に行われたデルとEMCジャパンの2018年度事業方針説明会では、2017年度の国内実績として、サーバが17%の対前年比成長、CI/HCI(コンバージドインフラ/ハイパーコンバージドインフラ)は4倍成長したことが明かされた。また、グローバルで見ても、Dell EMCのPowerEdgeサーバは、出荷金額と出荷台数の双方で、2四半期連続してx86サーバ市場におけるトップシェアを獲得している(※)。つまり、世界で最も採用されているサーバだ。

 サーバを調達する際には、大きく分けて2通りのやり方がある。1つは、「サーバは壊れるものだ」ということを前提として、できるだけ安価なサーバを選択する方法。もう1つは、想定使用期間におけるTCO(総所有コスト)を考えて製品を選択する方法だ。

 後者では、壊れにくさ、サポート体制、1台当たりのストレージ容量やデータI/O速度、ソフトウェアライセンスコスト、多様な用途への適合性、運用コスト、障害対応といった要素を勘案して、利用するサーバ製品や、ストレージなどを含めた構成を選択する。

 Dell EMC PowerEdgeサーバが、海外および日本国内で多く採用されているのは、TCOを基準にサーバの選択をする人々が、納得する理由があるからだ。

 そこで以下では、まだまだ多くのIT担当者たちは必ずしも知らない、サーバに関する5つの「Did You Know?」をお届けする。

IDC WW Quarterly x86 Server Tracker 2017Q3 & Q4 - Unit and Revenue, Share by Company.
IDC declares a statistical tie in the worldwide server market when there is a difference of one percent or less in the share of revenues or shipments among two or more vendors

Did You Know? その1:SDS、HCI、フラッシュへのこだわり

 近年のHCIの急成長の背景には、ユーザーの時間と工数、つまりコスト面でのメリットがある。最新世代のPowerEdgeサーバは最初からHCIの基盤となるべく、開発に先立ち、HCIユーザーに大規模なヒアリングを行ったという。

 SDSでは内蔵ストレージのI/O性能とデータ容量が肝になるため、「NVMe SSD」(PCIeをI/Oインタフェースに使う高速ストレージ)の搭載密度にこだわり、2Uラック型サーバのPowerEdge R740で最大24本、1Uラック型のR640で最大10本という業界最多のNVMe搭載密度を実現するに至った。

 Dell EMCはリファレンス構成の開発にも注力している。例えばVMwareのSDS、「VMware vSAN」には「vSAN ReadyNode」というハードウェア認証のプログラムがVMwareから展開中だが、現在3世代目となるvSAN ReadyNodeにおいて、計8機種/36構成という、他のサーバベンダーを寄せ付けない認証取得数を誇るのがDell EMC PowerEdgeサーバだ。PowerEdgeサーバは、ユーザーが安心してvSAN用に調達できるサーバ構成がどこよりも多いということだ。

 また、AMDの最新サーバCPU、「AMD EPYC」が注目されている。この、リーズナブルな価格で高速なCPUは、コア数とPCIeレーン数が特徴だ。EPYCは1 CPUソケットで最大32コアを搭載するため、特に仮想化サーバでメリットがある。

 仮想化ソフトウェアの定番「VMware vSphere」や、前述の「VMware vSAN」におけるライセンス単位はCPUソケットだ。つまり、コア数の多いCPUを使えば、これらのソフトウェアライセンスのコスト効率を高められる。


Dell EMC インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 製品本部の岡野家和氏

 PowerEdgeでは、AMD EPYC搭載の1ソケットサーバを2機種、2ソケットサーバを1機種提供している。そして全ての機種で、前述のvSAN ReadyNodeの認定を受けている。

 ここでは特に、1ソケットサーバに注目したい。最大32コアのCPUを搭載し、メモリは16枚挿せて最大2TBと、まさに2ソケットサーバ並みの構成を実現するからだ。

 「このサーバを使ってHCIを組めば、CPUとメモリのコスト効率を高められます。ソフトウェアライセンスコストの削減効果を考え合わせれば、ハードウェアとソフトウェアの両面で、コストを節約できることになります」と、Dell EMC インフラストラクチャ・ソリューションズ事業統括 製品本部の岡野家和氏は話す。

 「1ソケットサーバのHCI」。今後はこのキーワードにも注目したい。

Did You Know? その2:高密度実装ができても、熱対策が追い付かなければ意味がない

 高密度実装/拡張性は、コスト効率向上の観点から望ましい。既にストレージに関連し、PowerEdgeラックサーバの拡張性をお伝えしたが、メモリ(DIMM)スロット数、PCIeスロット数の点でも、最新世代のPowerEdgeサーバは業界最高レベルの拡張性を備えている。

 PCIeスロット数は、GPUやFPGAを活用したディープラーニングを推進していく上でも、今後ますます注目されていくだろう。つい先日も、インテルFPGA搭載アクセラレータがDell EMCに採用されたことがニュースになっていた。(PowerEdge R740は4枚のFPGAをサポートするという。)

 だが、いくら各種スロット数が多くとも、発熱が心配で活用しきれないなら、無用の長物になってしまう。逆の言い方をすれば、適切な熱設計がなされていないサーバは、スペックにかかわらず、活用が難しい。

 PowerEdgeは以前から熱対策に注力していたが、最新の第14世代では大幅な改善が施されている。

 まず、エアフロ―設計/内部レイアウトを根本的に見直し、CPUのヒートシンクと冷却ファンについては、カスタム設計とした。これにより、例えばPowerEdge R740xdでは、前世代のR730xdとの比較で、排熱が17〜50%改善した。

 そして、第14世代PowerEdgeサーバを特徴づける大きなポイントとなっているのが「マルチベクタークーリング」。これはサーバ内部を複数のエリアに分け、それぞれのエリアごとに最適な冷却を行うという発想から一歩進み、各PCIeスロットに装着したカードの種類を認識した上で、各冷却ファンの最適な風量を制御する仕組みだ。内部温度による管理と制御に加え、冷却風量(単位LFM)でファンを制御するという、精度の高い冷却手法だ。電力使用量を抑えながらも最適な空冷を実現する。より高密度な構成が可能になり、逆にそうでない場合は電力コストの抑制に効いてくる。

 電力消費と温度の管理には、管理ソフトウェア「OpenManage Power Center」が提供されている。データセンターやラック全体の電力と温度の状況可視化と統計、電力消費上限の設定や閾値指定によるアラート通知、電力コストの管理などがトータルに、GUIで実現される。驚きなのは、このソフトウェアが無償であることだ。

Did You Know? その3:サーバの運用コストを削減できるエンタープライズクラスの管理ソフトウェア

 「OpenManage」の話が出たので、サーバの管理・運用に話を移そう。サーバを適切に管理することは、その安定/高速稼働やセキュリティに大きな影響を与える。それなのに、サーバの運用管理に興味を持たない人が多いのは残念なことだ。

 Dell EMCの統合サーバ管理ソフトウェア「OpenManage Essentials(OME)」が、無償でどこまでできるかを、一度確かめていただきたい。

 まず、管理対象のサーバ全てをリスト化し、個々について機種名、ハードウェア構成情報、シリアルナンバー、購入年月日などの情報を表示。IPアドレスのセグメントを指定するだけで、サーバが自動的に検出され、登録される。

 ファームウェアや各種デバイスドライバのバージョンも把握でき、アップデートしたい対象を選択するだけで、Dell EMCのサイトあるいは社内のステージングサーバからこれらを自動ダウンロードし、リモートでアップデート作業を最後まで実行する。そもそも各サーバについて、更新すべき最新のファームウェアやドライバが提供されているのかどうかも、この画面を見るだけで把握できる。

 各サーバの構成や設定をプロファイル化して、複数マシンに一括展開することも可能だ。

 「OMEは、スケジュールエンジンも搭載しています。このため、ファームウェアやデバイスドライバを指定した日時にオンラインでアップデートできます」と、Dell EMCカスタマーソリューションセンターセンター長の相場宏二氏は話す。

 管理対象のアラートに対して、メールの送信やアプリの起動など、各種のアクションを定義することもできる。APIを通じて他の運用管理ツールなどと連携させれば、さらに包括的で多機能な運用環境を構築できる。

 上記はほんの一例だ。正直、デルのサーバに、エンタープライズクラスの管理ツールが用意されているというイメージをあまり持っていなかったのだが、数々のデモを見て印象が完全に変わった。

 「PowerEdgeサーバを使ったことのないお客さまにOpenManageのデモをお見せすると、ほぼ毎回そう言われます」と相場氏は語る。相場氏はちょうど、PowerEdgeサーバの管理ツールのデモ動画をYouTubeにアップ予定とのことで、送ってもらうことになった。

 OpenManageでは、レッドハットが2017年に発表した「Red Hat Ansible Automation」用のモジュール「Dell EMC OpenManage Ansible Modules」が無償提供されている。AnsibleはDevOpsツールとして今大きな注目を集めている。このモジュールを使うと、AnsibleによるPowerEdgeサーバ環境の構成管理やインフラ構築の自動化が容易に実現できる。例えば、出荷時が何も入っていない状態のPowerEdgeサーバに対して、Ansible経由でiDRACを操作し、ネットワーク上のISOイメージを使いOSのセットアップすることも可能だ。ベアメタルサーバを提供する事業者に嬉しい仕組みの1つだ。

 さらにDell EMCは今、OpenManageの進化形である次世代型統合管理ソフトウェア、「OpenManage Enterprise」のTech Release版を公開中だ。OpenManage Enterpriseはインフラの管理タスクをさらに簡素化、自動化、統合するよう設計されており、サーバに加えてDell EMCストレージ、ネットワークスイッチ、そして他社のハードウェアにもエンド・ツー・エンドのインフラ監視機能を提供するという。

Did You Know? その4:サポートの質が、サーバの使い勝手とコスト効率を左右する

 ワランティレベルのテクニカルサポートは、製品の売り上げに直接つながらない活動であるため、各ベンダーの「覚悟」の違いが如実に表れる。

 PCやx86サーバのサポートコールセンターがオフショアされることが多い中、Dell EMCは長年にわたる投資を通じ、ファーストコールから国内で対応する体制を築き上げて、サポート品質を向上している。

 サーバのサポートの中核を成す宮崎市のコールセンターは、国内最大級の約500名のメーカー正社員を中心としたセンターという。ここで、最初のコールから高度な技術的内容に至るまで、PowerEdgeのハードからRed Hat Enterprise Linux (RHEL)のようなOSまで日本国内での一元サポートが提供される。川崎市の本社ビルには、保守パーツの配送状況やサービス員の派遣状況を常時モニターできる「グローバルコマンドセンター」がある。

 オンサイト保守のための拠点は、全国に約200カ所。技術員は1,200名以上に上る。また、保守部品は、全国19カ所の配送拠点から送られる体制が整っている。

 Dell EMCのサポートにおける「革新」を示す例が、「ProSupport Plus」だ。一般的には、ユーザーに専任エンジニアがアサインされるサービス製品は高価で、大規模な導入を行うユーザーにしか提供されない。しかしDell EMCは、専任エンジニアが付くサービスとしては従来では考えられない価格で「ProSupport Plus」を販売しており、かつ対象のサーバ環境の規模も問わないという。

 「ProSupport Plus」ではユーザーのIT環境を熟知したシニアなエンジニアが、予兆を含む障害情報の提供、ファームウェアの遠隔アップデート実施などを行う。ユーザーは決まった担当エンジニアに直接連絡し、質問や相談が行える。

 ユーザー組織にとっては、ハードウェア障害への対応のための人材を、より生産的な業務に振り分けられるというコストメリットが生じる。

Did You Know? その5:RAIDにおける他社サーバとの違い

 サーバベンダーの話なので、最後はやはりハードの話で締めたい。冒頭で触れたSDS、HCIの世界ではさほど重視されないが、ほとんどの従来型アプリケーションでは、データ領域に対するRAID機能が非常に重要だ。

 PowerEdgeサーバで利用できるRAIDカード「PERC H740P」では、8GBという、業界で最大のキャッシュメモリを搭載。書き込みキャッシュの容量なので、パフォーマンスに直接影響する話だ。メモリ帯域幅の拡大を通じ、性能を30%向上している。他社のサーバの多くは4GBが最大容量となっているというから、2倍の差となる。

 一方エントリークラスのサーバでは、チップセットのSATA RAID機能を利用するケースも少なくない。最新世代のPowerEdgeサーバでは、オンボードのSATAコントローラチップを使ったソフトウェアRAID「PERC S140」が、NVMe SSDにも対応している(他社ではNVMeに未対応の場合がある)。最新のストレージ技術を、コスト効率よく活用できる。Windows ServerだけでなくRed Hat Enterprise Linux もサポートしている点もうれしい。他社では未対応のケースがほとんどだ。

 内蔵ドライブをできるだけデータ領域に使うため、OSやハイパーバイザのブート用に小型のM.2 SSDを活用するのはよくある手法だが、Dell EMCはここに、従来できなかったハードウェアRAIDを、「BOSS」と呼ばれる自社開発デバイスにより提供している。実はこの点、特に日本のユーザーからの要望が多かった点だという。


 これまで見てきた5つの「Did You Know?」、いかがだっただろうか。x86サーバなんてどこも同じだと思っている人こそ、こうした点を理解していただければ幸いだ。

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提供:デル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2018年5月22日

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