2022年度のリモートアクセス市場は242億円規模、DaaS市場は340億円規模に 働き方改革が後押し――ミック経済研究所調べ
ミック経済研究所が、国内のリモートアクセスサービスとDaaS市場の動向と中期予測を発表。働き方改革の推進により市場が活発化しており、2022年度まではリモートアクセス市場は年平均23.3%、DaaS市場は年平均21.0%で成長すると予測する。
ミック経済研究所は2018年5月8日、国内のリモートアクセスサービスとDaaS(Desktops as a Service)市場の実態を調査したマーケティング資料「『働き方改革』を支援するリモートアクセス&DaaS市場の現状と展望2018年度版」を同年4月に発刊したと発表した。
同資料は、主要リモートアクセスベンダー11社とDaaSベンダー10社に面接調査を行い、その個別実態を積み上げ、面接調査以外のリモートアクセスベンダー6社とDaaSベンダー4社の最新情報を加えて、市場動向を分析し、中期予測をまとめたもの。
調査結果によると、2017年度のリモートアクセス市場は、対前年比で25.7%増となる84億9000万円となった。
リモートアクセスサービスは、2000年代前半からあるICTサービスで、在宅勤務やSOHO(Small Office/Home Office)のニーズに対応するために開始されたが、実際はサーバやPCのリモート管理、BCP(事業継続計画)対応などのニーズが多かった。最近では、リモートワークやテレワークに対応することで、業務効率を図る企業が増えてきている。
これが背景となり、リモートアクセスサービスは、2018〜2022年度までは年平均成長率(CAGR)23.3%で成長し、2022年度には242億円市場となると予測する。
また、2017年度のDaaS市場は、対前年比21%増の186億8500万円となった。
従来は社内の情報システムのセキュリティ強化やOS仮想化などの面でニーズが多かったDaaSだが、最近ではこれらのニーズに加え、働き方改革を背景にしたリモートワークやテレワークに対応するために導入を検討する企業が増えてきたことが背景にあると分析。加えて、DaaSは利用者の増減に容易に対応できることから、オンプレミスに比べて導入しやすいことが企業に支持される要因になっていると指摘する。
DaaS市場は、2018〜2022年度まではCAGR21.0%で成長し、2022年度には340億円市場となると予測している。
ミック経済研究所では、働き方改革の推進に伴い、リモートアクセスサービスとDaaS市場が活発化していると総括。テレワークやリモートワークを積極的に活用し、業務効率化と長時間労働の抑制を図る企業や自治体が増加してきたと分析する。また、リモートワークやテレワークに対応することで、柔軟な働き方ができる企業であることを労働者や求職者にアピールし、人材確保面での優位性を獲得できると考える企業が増えていると見ている。
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