IBM、18のアベイラビリティゾーン新設で「IBM Cloud」を全世界で拡張:大企業のIBM Cloud移行事例も紹介
IBMは、世界各地でのアベイラビリティゾーン新設による「IBM Cloud」の拡張計画を発表した。また、資源、アイケア、金融の大手企業が主要ワークロードをIBM Cloudに移行していることも紹介した。
IBMは2018年6月11日(米国時間)、北米、欧州、アジア太平洋における18のアベイラビリティゾーンの新設による「IBM Cloud」の拡張計画を発表した。また、ExxonMobil、Bausch + Lomb、Westpacが主要ワークロードをIBM Cloudに移行していることも紹介した。
IBM Cloudのアベイラビリティゾーンの新設は、欧州のドイツ、英国、アジア太平洋の東京、シドニー、北米のワシントンDC、ダラスなど、需要の高いデータセンターで行われる。アベイラビリティゾーンは、データセンターリージョン内の分離されたクラウドインスタンスであり、独立した電源、冷却、ネットワーク設備でフォールトトレランスが強化されている。IBM Cloudは既に60カ所近くのデータセンターで運用されているが、これらの主要データセンターでさらに拡張が進むことになる。
またIBMは、顧客が「IBM Cloud Kubernetes Service(IKS)」を使って、マルチゾーンKubernetesクラスタを異なるアベイラビリティゾーンにまたがってデプロイできるようになることも明らかにした。これにより、「コンテナ化されたアプリケーションのデプロイと管理が容易になり、運用エクスペリエンスの一貫性が向上する」としている。
一方、ExxonMobil、Bausch + Lomb、WestpacのIBM Cloudへの移行の概要は以下の通り。
- 株式上場している世界最大の国際的石油・ガス会社であるExxonMobilは、IBM Servicesが開発したモバイルアプリ「Speedpass+」の基盤としてIBM Cloudを採用した。Speedpass+は、米国のExxonおよびMobilの1万1000カ所以上のガソリンスタンドでドライバー向けに提供されている。
- 総合アイケアの世界的大手企業であるBausch + Lombは、次世代の白内障手術システム「Stellaris Elite」のためにIBM Cloudを選択した。Bausch + Lombは、ダラスとフランクフルトのIBM Cloudデータセンターからネットワークを運用する。フランクフルトのセンターが、Bausch + Lombが進めるEU一般データ保護規(GDPR)の新要件への対応に大きく貢献することになる。
- オーストラリア最大の金融機関の1つであるWestpacは、安全な専用IBM Cloudインフラに移行している。これによってWestpacは、アプリケーションのデプロイが容易になり、データ保護とプライバシーに関する規制を順守しながら、顧客向けの新しいソリューションを迅速に市場に投入できるようになった。
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