ITRが国内セキュリティ市場規模を予測、2017年度の約2750億円から2022年度には4100億円超に:サイバーセキュリティサービス市場は好調に推移
ITRは、国内サイバーセキュリティサービスの市場規模について、実績と予測を発表した。2017年度の売上金額は対前年度比13.8%増の約2750億円。2018年度は約3100億円、2022年度には4100億円を超えると予測した。
アイ・ティ・アール(ITR)は2018年6月14日、国内サイバーセキュリティサービスの市場規模について、実績と予測を発表した。
2017年度の売上金額は対前年度比13.8%増の約2750億円。2018年度も引き続き堅調に伸び、対前年度比12.7%増の約3100億円になると見込む。2017年度から2022年度までの年平均成長率(CAGR)は8.4%で、2022年度には4100億円を超えると予測した。
こうした市場拡大の背景には、セキュリティの専門家による24時間365日の運用監視サービスに対する必要性と重要性の高まりがある。近年のサイバー攻撃は巧妙で高度になっているが、企業はセキュリティ専任要員や専門スキルの不足から自社運用だけでは対応しきれない状況だからだ。
さらに最近では、制御システムやIoT(Internet of Things)に対するセキュリティが課題となっており、CSMS(Computer Security Management System)やPSIRT(Product Security Incident Response Team)、IoTセキュリティ構築運用支援サービスなどのセキュリティコンサルティングサービスの需要も拡大している。注目度の高まりとともに、セキュリティ市場に参入するベンダーも増加している。
ITRのアソシエート・リサーチ・フェローである藤俊満氏は、「複雑で巧妙化するサイバー攻撃に対して、自社で要員を育成したり自ら設備投資をしたりして対策することは、限界が近づいている。サイバーセキュリティのプロやセキュリティベンダーにアウトソーシングする傾向は加速するだろう。サイバー攻撃の対象が本社部門から工場や研究開発部門に拡大してきており、今後は、制御系や開発系を対象としたIoTセキュリティ、PSIRT、CSMSの重要性が増大する」と述べている。
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