Google、iOS/Androidアプリ開発用オープンソースSDK「Flutter」の「Release Preview 1」を公開:「Dart」言語を使用する人気上昇中のモバイルアプリSDK
Googleが提供するiOSおよびAndroidアプリ開発のためのオープンソースSDK「Flutter」が、β版から「Release Preview 1」に移行した。
Googleは2018年6月21日(現地時間)、中国の北京で開催されたフロントエンドおよびモバイルアプリ開発者向けカンファレンス「GMTC Global Front-End Conference」で、iOSおよびAndroidアプリ開発のためのオープンソースSDK(Software Development Kit)「Flutter」の「Release Preview 1」を公開したと発表した。
Flutterは2018年2月にβ版が公開され、その後急速に人気を集めている。5月にはGitHubリポジトリのスター数ランキングでトップ100入りしたという。Release Preview 1の公開により、FlutterはVersion 1.0のリリースに向けて開発が新段階に入ったと、Googleは述べている。
Googleによると、Flutterの開発ではコミュニティーの貢献が拡大しており、外部からの貢献によるRelease Preview 1の改良点には、ハードウェアキーボードおよびバーコードスキャナーのサポート、動画録画、画像やフォントなどのフォルダの包含がある。
また、Flutterのパッケージサイトでも、寄贈された新しいパッケージが多数公開されている。例えば、「Flutter Platform Widgets」(iOSやAndroidに自動的に適応するウィジェットセット)、「mlkit」(Firebase MLKit APIのラッパー)、「Sequence Animation」(連結アニメーションの作成を支援)などだ。
一方、Flutterチームでは、包括的なシナリオのサポートに力を入れている。ビデオプレーヤーパッケージの改良が引き続き進められ、対応フォーマットの種類が広がった他、信頼性も向上している。Googleのモバイルプラットフォーム「Firebase」のサポートが拡張され、複数プラットフォームにまたがるリンクの作成、処理ソリューションである「Firebase Dynamic Links」が新たにサポートされている。
さらに、ARMv7チップ搭載のiOSデバイスで動く32bitアプリもサポート対象に加わり、Flutterで作成したアプリが古いデバイス(「iPad Mini」や「iPhone 5c」など)でも動作するようになった。こうしたデバイスは、世界ではまだ広く使われている。
またFlutterチームは、既存のAndroidまたはiOSアプリにFlutterウィジェットを追加する実験的な手法も公開した。この手法は一部のiOSやAndroidアプリで本番利用されているが、Googleは、関連するドキュメントとツールを引き続き改良するとしている。
FlutterのRelease Preview 1は、FlutterのWebサイトから直接ダウンロードでき、βユーザーは「flutter upgrade」コマンドを実行して入手できる。
FlutterのRelease Preview 1用のツール
Flutterチームは、Flutterツールに大幅な改良を加えている。「Visual Studio Code」のFlutter拡張のアップデートでは、新しいアウトラインビューや、ステートメント補完機能、Visual Studio Codeからエミュレータを直接起動する機能などが追加された。
また、コミュニティーで開発されている有望なFlutterツールもある。Flutterベースのユーザーインタフェースを作成するためのWebベースツール「Flutter Studio」がその1つだ。このツールは、50以上の各Flutterウィジェットに対応したプロパティエディタを備えている。Flutter Studioは、Flutterアプリの作成に使われるGoogleのWebアプリ開発向け新言語「Dart」で書かれている。
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