AWSが「Amazon Linux 2」の正式版を公開、5年間の長期サポート(LTS)が付属:Amazon EC2に最適化、オンプレミスでの開発、テストにも使用可能
AWSは、5年間の長期サポート(LTS)が付属する「Amazon Linux 2」の正式版を公開した。
Amazon Web Services(AWS)は2018年6月26日(米国時間)、5年間の長期サポート(LTS)が付属する「Amazon Linux 2」の正式版を公開した。
Amazon Linux 2はAWSの最新Linuxディストリビューションで、2017年12月と2018年4月に「LTS Candidate」(長期サポート候補版)がリリースされていた。今回公開された正式版には、LTS Candidateに対するフィードバックが反映されている。
AWSはLTSとして、コアパッケージのセキュリティアップデートとバグ修正を5年間提供する。また、ユーザー空間のApplication Binary Interface(ABI)とApplication Programming Interface(API)の互換性を5年間維持する。
Amazon Linux 2の主要コンポーネントは以下の通り。
- 「Amazon Elastic Compute Cloud」(Amazon EC2)上で最適なパフォーマンスを発揮するようチューニングされた最新のLinux Kernel(4.14)
- systemd、新しいバージョンのGCC(7.3)、glibc(2.26)、Binutils(2.29.1)など、AWSのLTSの対象となるコアパッケージのセット
- LTSモデルの外部で頻繁に更新される可能性があり急速に進化する技術を使用するための「Extras」
Extrasは、Amazon Linux 2で導入された新しいメカニズムであり、5年間サポートされる安定したOS上で、新しいバージョンのアプリケーションソフトウェアを利用できることを目的としている。
Extrasには、AWSが厳選したソフトウェアバンドルを選択できる「トピック」が用意されている。このソフトウェアバンドルの例には、「MATE」「Python」「MariaDB」「Node.js」といった人気のソフトウェアパッケージの新しいバージョンなどがある。トピックには、こうしたソフトウェアをAmazon Linux 2にインストールし、機能させるために必要な依存関係が全て含まれる。
Amazon Linux 2は、Amazon EC2で使用する「Amazonマシンイメージ」(AMI)と、Docker環境で使用するコンテナイメージとして提供される。また、「KVM」(Kernel-based Virtual Machine)、「Oracle VM VirtualBox」「Hyper-V」「VMware ESXi」のオンプレミス開発とテスト用の仮想マシン(VM)イメージとしても提供される。
Amazon Linux 2は、AWSの全てのパブリックリージョンで利用でき、Amazon EC2インスタンスの使用料以外の追加料金はかからない。オンプレミスVMイメージとDockerコンテナも無料となっている。
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