Microsoft、「Azure File Sync」を正式リリース:ファイルサービスをAzureで集中管理、ローカルデータアクセスも維持
Microsoftは、クラウドとオンプレミスファイルサーバの両方のメリットを享受できる「Azure File Sync」の正式提供を開始した。
Microsoftは2018年7月19日(米国時間)、クラウドとオンプレミスファイルサーバの両方のメリットを享受できる「Azure File Sync」の正式提供を開始したと発表した。
Azure File Syncを使用すると、「DFSレプリケーション(DFS-R)」を使ってオンプレミスのWindows Server間でデータをレプリケートするような使い勝手のまま、オンプレミスのWindows Serverから「Azureファイル共有」にファイルをレプリケートできる。
Azure File SyncでAzure上にデータのコピーを置けば、クラウドティアリングを有効にして、使用頻度の高いデータや最近アクセスしたデータだけをオンプレミスに保存できる。
さらに、Azure上にデータのフルコピーを置くため、任意の数のサーバをAzureファイル共有に接続し、ユーザーがどこにいても、高速データキャッシュにアクセスできるように設定できる。
Microsoftは、「簡単に言えば、Azure File Syncにより、ファイルサービスをAzureで集中管理しながら、ローカルデータアクセスを維持できる」と述べている。
データのコピーをクラウドに置くと何が起こるのか
データのコピーをクラウドに置くことで、可能になることは他にもある。例えば、Azureの「高速ディザスタリカバリ」機能を使って、停止したサーバをほぼ瞬時にリカバリーできる。また、ローカルサーバでどのような問題(更新の失敗、物理ディスクの損傷など)が発生しても、クラウドにデータの完全な回復コピーがあるため、安心できる。新しいWindows Serverを既存のSyncグループに接続するだけで、すぐに名前空間が使えるようになる。
Microsoftはパブリックプレビュー版を2017年9月にリリースした後、今回の正式版のリリースまでに、ユーザーのフィードバックを基に、Azure File Syncにさまざまなイノベーションや改良を加えたとしている。主なものは以下の通り。
- Syncとクラウドティアリングのパフォーマンス、スケーラビリティ、信頼性の向上:Azure File Syncの正式版では、アップロードのパフォーマンスが2倍に向上、高速ディザスタリカバリのパフォーマンスがハードウェアに応じて4〜18倍に向上している。クラウドティアリングバックエンドのアーキテクチャを見直し、より高速で信頼性の高いティアリングをサポートするようにした。
- Azure File Syncポータルの使い勝手の向上:ポータルを改良し、アップロードの進度を明確に表示するようにした。加えて、管理者が日々の業務に集中できるように、管理者の行動につながるエラーメッセージだけを表示するようにした。
- ジオ冗長ストレージ(GRS)との統合による包括的なディザスタリカバリー:高速ディザスタリカバリはオンプレミスの障害に対応している。Azure File Syncの正式版では、ジオ冗長ストレージの回復設定とのエンドツーエンドの統合により、Azureリージョンを支えるデータセンターに影響する障害にも対応できるようになった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- Microsoft、「Windows Server 2019」を2018年後半にリリース
Microsoftが2018年後半に正式リリースする「Windows Server 2019」は、ハイブリッドクラウド、セキュリティ、アプリケーションプラットフォーム、ハイパーコンバージドインフラといった分野をはじめとした多くの新機能を提供する。 - 低コストでデータの災害復旧対策を実現する新たなSDS「ストレージレプリカ」とは
Windows Server 2016には、新しいサーバーの機能として「ストレージレプリカ」が提供されます。ストレージレプリカでは、どのようにデータを保護するのか、早速試してみました。 - 低コストでデータの災害復旧対策を実現する新たなSDS「ストレージレプリカ」とは
Windows Server 2016には、新しいサーバーの機能として「ストレージレプリカ」が提供されます。ストレージレプリカでは、どのようにデータを保護するのか、早速試してみました。