AWS、メモリ最適化インスタンス「R5」「R5d」と高周波インスタンス「z1d」を開始:高速プロセッサや大容量メモリを採用
Amazon Web Services(AWS)は「Amazon EC2」で、次世代のメモリ最適化インスタンス「R5」、R5にローカルストレージを追加したインスタンス「R5d」の他、新しい高周波インスタンス「z1d」の提供を開始した。
Amazon Web Services(AWS)は2018年7月25日(米国時間)、「Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)」で3種類の新しいインスタンスの提供を開始したと発表した。提供を開始したのは次世代のメモリ最適化インスタンス「R5」とR5にローカルストレージを追加したインスタンス「R5d」、新しい高周波インスタンス「z1d」。
今後数週間以内には、それぞれのベアメタル版である「r5.metal」「r5d.metal」「z1d.metal」インスタンスをリリースする予定があるという。
さらに2〜3カ月以内には、R5を使用した「Amazon Relational Database Service(RDS)」「Amazon ElastiCache」「Amazon Aurora」インスタンスが作成できるようになる見込みだ。
以下では、今回提供を開始した3種類のインスタンスの概要を紹介する。
R5インスタンス
R5インスタンスは、ターボブーストに対応した最大3.1GHz動作のカスタムIntel Xeon Platinum 8000シリーズ(Skylake-SP)プロセッサを採用している。分散インメモリキャッシュとインメモリアナリティクス、ビッグデータアナリティクスに適しており、仮想CPU数やメモリ、永続的なブロックストレージであるEBS(Elastic Block Store)、ネットワークの仕様がそれぞれ異なる6つのモデルを用意する。
R5インスタンスは従来のR4インスタンスと比べて仮想CPUの数が最大50%増え、メモリ容量が最大60%増加した。さらに対応するR4インスタンスと比較して、仮想CPU当たりのメモリ容量が5%増え、GB当たりの料金が10%下がったという。
モデル | 仮想CPU | メモリ | EBS最適化帯域幅 | ネットワーク帯域幅 |
---|---|---|---|---|
r5.large | 2 | 16GB | 最大3.5Gbps | 最大10Gbps |
r5.xlarge | 4 | 32GB | 最大3.5Gbps | 最大10Gbps |
r5.2xlarge | 8 | 64GB | 最大3.5Gbps | 最大10Gbps |
r5.4xlarge | 16 | 128GB | 3.5Gbps | 最大10Gbps |
r5.12xlarge | 48 | 384GB | 7.0Gbps | 10Gbps |
r5.24xlarge | 96 | 768GB | 14.0Gbps | 25Gbps |
R5インスタンスの提供を開始したリージョンは、米国東部(バージニア北部)と米国東部(オハイオ)、米国西部(オレゴン)、欧州(アイルランド)だ。
R5dインスタンス
R5dインスタンスは、R5インスタンスと共通の仕様を採った上に、最大3.6TBのローカルNVMe(NVM Express)ストレージを加えた構成だ。
モデル | 仮想CPU | メモリ | ローカルストレージ | EBS最適化帯域幅 | ネットワーク帯域幅 |
---|---|---|---|---|---|
r5d.large | 2 | 16GB | 1 x 75GB NVMe SSD | 最大3.5Gbps | 最大10Gbps |
r5d.xlarge | 4 | 32GB | 1 x 150GB NVMe SSD | 最大3.5Gbps | 最大10Gbps |
r5d.2xlarge | 8 | 64GB | 1 x 300GB NVMe SSD | 最大3.5Gbps | 最大10Gbps |
r5d.4xlarge | 16 | 128GB | 2 x 300GB NVMe SSD | 3.5Gbps | 最大10Gbps |
r5d.12xlarge | 48 | 384GB | 2 x 900GB NVMe SSD | 7.0Gbps | 10Gbps |
r5d.24xlarge | 96 | 768GB | 4 x 900GB NVMe SSD | 14.0Gbps | 25Gbps |
R5dインスタンスは米国東部(バージニア北部)と米国東部(オハイオ)、米国西部(オレゴン)リージョンで利用できる。
z1dインスタンス
高周波のz1dインスタンスは、プロセッサの動作周波数を高めたインスタンス。ターボブーストに対応した最大4.0GHz動作のカスタムIntel Xeon Scalableプロセッサを採用した。AWSによれば全てのクラウドインスタンスの中で最も高速であるという。
z1dインスタンスは、プロセッサコア当たりのパフォーマンスの恩恵を受けるEDA(Electronic Design Automation:半導体設計)や金融シミュレーション、リレーショナルデータベース、ゲームワークロードに適している。データベースやEDAツールには、コア単位でライセンス料金が決まっている製品があるためだ。
モデル | 仮想CPU | メモリ | ローカルストレージ | EBS最適化帯域幅 | ネットワーク帯域幅 |
---|---|---|---|---|---|
z1d.large | 2 | 16GB | 1 x 75GB NVMe SSD | 最大2.333Gbps | 最大10Gbps |
z1d.xlarge | 4 | 32GB | 1 x 150GB NVMe SSD | 最大2.333Gbps | 最大10Gbps |
z1d.2xlarge | 8 | 64GB | 1 x 300GB NVMe SSD | 2.333Gbps | 最大10Gbps |
z1d.3xlarge | 12 | 96GB | 1 x 450GB NVMe SSD | 3.5Gbps | 最大10Gbps |
z1d.6xlarge | 24 | 192GB | 1 x 900GB NVMe SSD | 7.0Gbps | 10Gbps |
z1d.12xlarge | 48 | 384GB | 2 x 900GB NVMe SSD | 14.0Gbps | 25Gbps |
z1dインスタンスは米国東部(バージニア北部)と米国西部(オレゴン)、米国西部(北カリフォルニア)、欧州(アイルランド)、アジアパシフィック(東京)、アジアパシフィック(シンガポール)リージョンで利用できる。
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