チョコレートの商品情報をAIアプリで確認――ゴディバと日立ソリューションズ、店舗スタッフ向け商品照会アプリを共同検証
日立ソリューションズとゴディバ ジャパンは、スマートフォンアプリで商品を撮影し、その場で商品情報を確認できる店舗スタッフ向けの商品情報照会システムの実証実験を行った。システムは、MicrosoftのAIサービス「Cognitive Services」の画像認識機能を活用して構築。10枚程度の商品写真で機械学習させたAIで、高精度な照会を実現したという。
日立ソリューションズは2018年7月31日、ゴディバ ジャパンと共同で、AIを活用してスマートフォンアプリで撮影した商品画像から、その場で商品情報を照会できる店舗スタッフ向けシステムの実証実験を行ったと発表した。
実証実験は、2018年5月7日から6月15日にかけて、ゴディバ ジャパンの実店舗で実施。ゴディバ ジャパンの「サマーコレクション」や「ゴールドコレクション」といったチョコレートのパッケージ商品を、店舗スタッフが専用アプリで撮影。その画像情報からAIが商品を特定し、クラウドデータベースに登録した商品詳細情報から該当商品の情報をアプリ画面に表示する仕組みを検証した。
検証の結果、商品パッケージの写真から商品情報を高精度に取得できることを確認したという。
同システムにより、店舗スタッフが顧客から相談を受けた際、商品情報を簡単かつ速やかに検索できるようになり、接客サービスの強化や顧客満足度の向上が期待できるとしている。
実証実験に参加した店舗スタッフによると、商品のパッケージを持参して同じ商品や類似商品を求めたいという要望や、商品にアレルゲンとなる素材が含まれていないかどうかを確認したいというニーズが少なくないことから、スマホアプリですぐに商品の詳細情報を確認できるのは非常に有効である他、来店客のお好みに合った商品を探す際にも役立つという。
システムは、日立ソリューションズが「Microsoft Azure」のAIサービスである「Cognitive Services」の画像認識機能と、クラウド型業務アプリケーション「Dynamics 365」を活用して構築。商品情報は、1商品当たり10枚程度の画像で機械学習させた。計画策定から機械学習、アプリケーションを含むシステム構築、レポート作成まで、約1カ月間で完了したという。
日立ソリューションズは、実証実験を通して、ビッグデータが少ない場合でも少量の学習素材を使って低コストで機械学習を実現し、短期間でアプリケーションのスムーズな実装が可能なことを確認できたとしている。
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