“IoTドア”で独居シニアの安否確認 賃貸住宅のリスク低減対策にも――NTT西日本ら、九州で高齢者見守りサービスのトライアルを実施
NTT西日本とプリンシプルは、ドアにセンサーを取り付け、IoTで高齢者の居室を見守る「スマートルームみまもり」のトライアルを開始。高齢者宅に一定期間無償で導入し、孤独死の防止や賃貸住宅の空室リスクの低減対策として、有効性やビジネススキームなどを検証する。
西日本電信電話(NTT西日本)とプリンシプルは2018年9月11日、九州を拠点とする不動産管理会社7社と協業し、IoTを活用して高齢者の居室を見守るサービス「スマートルームみまもり」のトライアルを開始した。
同サービスは、NTT西日本とプリンシプルが共同開発したもので、ドアの開閉を検知するセンサーを居宅内の2カ所に設置し、一定時間以上ドアの開閉が検知されない場合に、アラームを出す仕組みを利用。アラームが出た後、高齢者本人と連絡がつかない場合は、家族や管理会社などに通知される。
来訪や電話による見守りサービスと異なり、入居者は普段の生活を変えずに、ごく自然に見守りを受けられるのが特徴だという。
トライアルでは、入居を希望する一人暮らしの高齢者か、現在既に一人暮らしをしている高齢者など、各管理会社が選定する高齢の入居者を対象に同サービスを導入。一定期間無料で同サービスを利用してもらい、導入効果や仕様、各管理会社のビジネススキームの確立と運用フローなどを検証する。
内閣府の「平成29年版高齢社会白書」によると、65歳以上の一人暮らし高齢者は増加傾向で、今後も増加が想定される一方、孤独死などのリスクにより、物件オーナーが高齢者の賃貸物件への入居を承諾しないケースもあるという。今回のトライアルにより、この課題を解決するとともに、空室リスクを減らす対策としたい狙いがある。
トライアル後は、検証結果を反映、改善し、プリンシプルによる商用サービスの提供を予定している他、NTT西日本では光インターネットアクセスサービスとの組み合わせによるサービス展開を計画している。
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