@ITが運営するコラム(ブログ)コーナー「エンジニアライフ」では、現役エンジニアたちが日々、思うこと、考えたことをポストしています。
本稿は、エンジニアライフにポストされたコラム(ブログ)の中から印象的なものを、(編)の独断と偏見でピックアップして振り返ります。2019年2月は、コラムニスト(エンジニアライフの筆者)たちが、「マイ人脈構築術」を披露し合いました。
人見知りなエンジニアは、どうやって人脈を作れば良いのか
突然ですが、(編)は人見知りをしません。
子どものころ、親の仕事の関係で数年おきに転校を繰り返したので、人見知りさせてもらえなかったんです。皆さんとっても親切にしてくださったのですが、自分が仲良くなりたい人に対しては、自分からアプローチするしかありません。待ってても向こうから来てくれるとは限りませんから。
そうやって、定期的に新しい場所で新しい友達を自力で作る子ども時代を過ごしたおかげで、今ではすっかり「人見知りしません(キリッ)」な大人になりました。
また、「自分が周囲にどう見られているか」もあまり気になりません。多少は気になったころもあったような気もしますが(覚えていない)、他人が「どう見るか」はコントロールできないと分かってからは、「こう在りたい」をまい進するのみになった次第です。
でも、世の中は私のようなずぶとい人ばかりではありません。初めて会う人ばかりの場所に行くのは腰が引ける、話し掛けるなんて怖くてできない、そういう人もたくさんいると思います。そんな皆さんのためにエンジニアライフのコラムニストたちが、「人見知りでも実践できる、人脈(知り合い)構築術」を紹介してくれました。
「初対面の人に自分から話し掛ける」機能が実装されていない
議題を投下したは「Just an ordinary day」の「Kyon」さん。平成元年生まれでCOBOLの読み書きができるプログラマーです。
kyonさんは超絶人見知りで、本人いわく「『「初対面の人に自分から話し掛ける』機能が実装されていない」そうです。
そんな人見知りっこの彼女は、「自称人見知り流 新しいところへの飛び込み術」の中で、人見知りの原因は「自分が他人からどう見られているかが気になるから」ではないかと仮説を立て、それならばと、「これから会う人たちからは嫌われていいし、どう思われてもいい、だってもう二度と会わないんだから、と思い込もう」という対策を立てます。
その他にも「参加者が少人数の集まりを選ぶ」「知っている人が主催している集まりを選ぶ」「自分がいてダメな場所だったら向こうから追い出されるはずと思う」「行ってみれば何ともないと言い聞かせる」などを実践して、新しい場所に飛び込んできたそうです。
結果は「飛び込んでみてよかったな〜」と思っているとのこと。どれもすぐに実行できそうなので、人見知りさんは、ぜひ参考にしてみてください。
自分で企画しちゃおう
kyonさんのコラムを受けて、「私はこんな工夫をしていますよ」と続いたのは、「守銭奴エンジニアが考えていること」の「手塚規雄」さん。
ゲームの会を主催したり、笑顔トレーナーになったり、結婚したり、と社交的に見える彼ですが、実は「仲の良い人たちの中で安全、安心な仕事をしたい」と思っているそうです。その心理をご自身では下記のように分析しています。
そんな手塚さんが実践している「新しい人と知り合う方法」は、「趣味や遊び経由で知り合う」「イベントなどを自分で企画する」の2つ。ご本人は「俺が楽しみたい場が欲しいからやっている」と謙遜していますが、これ、なかなかできないことですよ。能動的に動くが吉。
ちなみにこれは、自称人見知りによる人脈構築術の「初級編とのこと。中級編や上級編などの「続編はありません」と宣言しています。
人脈、人脈、うるせーな
「じゃあ、俺が上級編書いたるわ」と手を挙げたのが、エンジニアライフナンバーワンの人気者「101回死んだエンジニア」の「Anubis」さんです(私が呼び寄せたともいう)。この流れには、のんびりチョコレートを食べていた、kyonさんもビックリ。
しかし、さすがの暴れん坊。タイトルからして「人脈? うるせーから寝てろ。」です。「弱い人ほど群れたがる」「構築はいいが維持費は考えてる?」「結局何がしたいん?」と、ボコ殴りの勢いで、がんばって人脈を作ろうと努力している人見知りさんたちを威嚇(いかく)し続けます。こわいわー、上級者こわいわー。
でも最後は「人脈より目の前の人を大事にしよう」「本当の人脈は人と人とが単につながることじゃない。人と人とが紡ぎ合うことだ」とええ話にまとめました。さすが上級者ですね。
チカラ入りマクリマクリスティ
こうなると黙っていられないのが、「ヒエログリフ -エンジニア版-」の「Horus」さん。
彼は、非人見知り目線で「「人見知りと思ってる人が人脈を広げようとしている場面を客観的にみた時の話」を解説します。
彼の観察では、人見知りさんはキンチョーするからか「肩の力の入り方が凄かった」そうです。なるほどねー。たまに(よく?)いますよね。「人脈作らなきゃ」という悲壮な面持ちでイノシシのように突進してくる方々。あれは人見知りだったんですね。
そんなチカラ入りマクリマクリスティな方々へのアドバイスは「人に会う前に100メートル全力ダッシュを5本くらいこなして、肩に入る力も残らないくらいの状態を作る」「普段から肩の力が抜ける服装や話題をあえて選んでみる」「人の集まる場所でゆったり振る舞えているところを頭の中でシミュレーションしてみる」と、実用的。Horus、案外いい奴なんだね。
アガサ・クリスティー
ここで登場したのが、四児の父「abekkan」さん。2012年から執筆している「IT技術を日常生活で活かそう」を通じて人脈広げマクリマクリスティなのだそうです。
うん、分かる。分かりますよ。「人脈を広げると人生が変わるかも? ユニークな名刺でアピールしよう」を読めば分かるように、abekkanさんはいつも、人に楽しんでもらおう、喜んでもらおうと意識しているし、そのための努力を惜しまない人だもの。
一度会った人にずっと覚えてもらえるように、アイコンとか名刺も工夫しているんですね。ところで「マクリマクリスティ」って20代には通じないそうですね。編集部の若手に聞いたら「アガサ・クリスティーですか?」と聞き返されてしまいました。悲しい。
私はコレで人脈を育てました
「そろそろ(編)の人がまとめ記事を作成されるのではないかと推測して」祭りにのっかってきたのは、「お理 おことわり」の「あんのうん」さん。さすが、よく分かっていらっしゃる。まんまと書いていますよ。想定通りというやつです。
彼は「人脈祭りに乗ってみる」で、勉強会を通じて前職のメンバーをハイアリングしたエピソードを披露します。その経緯を通じて「人脈とは、その人のそれまでの結果、つまり『履歴』であると思っています」「目的のある行動の連続があって初めて、その人独自の人脈というものは育まれていくんだと思います」と続けます。
私もこの考え、とても共感します。だって逆を考えると、「人脈だ!」と思って近づいて来る人とは正直、仲良くなりたくないじゃないですか。ならば、仕事や勉強や道楽に一生懸命打ち込んで、その過程で意気投合した人たちとつながっていく。そうすれば、世界は広がるんじゃないかと思うんです。
あと、世界にほほ笑んでほしかったら、自分から先に世界にほほ笑む。これにつきると思うんです。
いろいろなバックグラウンドを持つエンジニアたちが、同じテーマで意見を出し合ったり、そんなん関係ないわーと小説を書きつづったり、楽しく過ごしている場所、そこが「エンジニアライフ」です。週に一度は遊び(読み)に来てくれると、うれしいな。
「お!」と思うことがあったら、コメントを書いてもいいのよ。「おおおおお!」という方は、コラムニストになっちゃうのもアリね。「おおお」なら来てよね、わたし待ってるわ〜(五月みどりさん風に)。
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