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iPhone 16 Proを使い始めて、「最新のスマホなんかいらない」という呪いが解けた私は意地を張っていたのかもしれない

「もういらないなんて言わない」なんて言わないよ絶対。

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 皆さんは、スマートフォンを最新型に都度買い換えるタイプですか? それとも、同じ機種を長く使い続けますか?

 私は後者でした。「最新の機能なんかいらない」、そう考えていた時期が私にもありました。でも2024年10月にiPhone 16 Proを買い、それが勘違いだったと気付きました。新しい端末のおかげで、明らかに快適になったからです。


iPhone 16 Pro、気に入ってます

 もしかしたら、「最新の機能なんていらない」と思い込むことで、あふれる情報から身と財布を守っていたのかもしれません。でもその態度は自分への“呪い”にもなり、便利な新機能を遠ざけていたようにも思います。

「最新機種の魅力」が薄くなったスマホ時代

 最新機種に魅力を感じなくなったのは、いつごろからだったでしょうか。

 ガラケー時代は、“2年縛り”の効果に加え、端末のデザインや形、画期的な新機能も豊富だったので、2年に1回は買い換えていたように思います。

 スマホ時代に入り、ほとんどの端末が「板」になってしまい、デザインを楽しめなくなりました。初期のスマホは“もっさり”しており、スペックの上昇に伴って使い心地も上がったため、それなりに機種変更していたものの、その進化も徐々に緩やかになってきました。

 筆者はiPhone 7あたりから「最新機種はいらない」と思い、家族が新機種を買ったときに、お下がりをもらって使うようになりました。と同時に、スマホの新機能にもすっかり興味を失っていました。

iPhone 16も最初「いらない」と思っていた

 IT関連の速報ニュース記者という仕事柄、新型iPhone発表時はその都度、紹介記事を読んでいました。2024年9月のiPhone 16シリーズの発表時も、記事を読んだ上で「いらない」と判断していました。

 ただ少しだけ気になる機能がありました。「カメラコントロールボタン」です。端末がスリープモード中でも、クリックするだけでカメラアプリが開き、もう一度クリックすると撮影できる。スマホで子どもをよく撮る筆者は、カメラ専用ボタンがあればいいなと思ってはいましたが、「使いこなせないような気がする」と敬遠していました。

 そんなとき、たまたまiPhone 16 Proを買った同業の友人が「サッと撮る時にとても便利」とブログで称賛していたことで興味が増し、端末を持ってる友人にカメラコントロールボタンを触らせてもらったところ、「欲しかったのはこれだ!」と即決。その日のうちに注文して購入し、今は大満足で使っています。

新機能の便利さに感動

 これをきっかけに、使ったことがなかったスマホの機能を使ってみようという意欲が湧き、次に使ったのが無線充電機能の「MagSafe」です。

 専用の充電スタンドを購入して使ってみたら、便利過ぎてびっくりしています。スタンドにスマホをひっつけるだけで充電でき、そのまま操作もできる。良い感じの位置にスマホが置けつつ、置くだけで充電される! 何だこれ! 何で使ってなかったんだ!


MagSafe専用スタンド。もう1つ買おうと思っています

 今気になっているのは「eSIM」です。筆者は昔ながらのSIMカードを挿入して1回線のみで使っていたのですが、バーチャルなSIMカードであるeSIMなら、2回線以上を切り替えながら使えます。いま使っているキャリアが圏外でも、eSIMで別キャリアに切り替えることができます。

諦めていた不便、解決する技術があったのに

 新機能に素直になったことで、「不便だけど仕方ない」と諦めていたことがたくさんあり、その面倒の多くを、既に何らかの技術が解決してくれていていることに気付きました。

 「どうせ使いこなせない」と思い込んだり、「ちょっとした機能追加で機種変更を迫るような、スマホメーカーのビジネスに乗ってやるか」という、“嫌儲”のような意地もあったりしましたが、それが“使ってみれば便利な機能”を遠ざけていました。

 同時に、自分が便利と感じたものを「便利だよ」とメディアを通じて伝えるとき、どう言えば伝わるだろうか、と考える機会にもなりました。

 iPhone 16の「カメラコントロール」機能は、スマホ評論家やメディアの記事では批判的に紹介されることも多く、筆者はそれを読んで一度興味を失いました。その後、同業者のブログで「カメラコントロール最高!」と熱量高くすすめられていたのを見て、「やっぱりいいかも?」と感じたことが、今につながっています。

 情報もモノも多過ぎる時代、読み手は、買う理由より「買わない」理由にフォーカスしがちです。それでも本当に良いと思ったものを手に取ってもらいたければ、すすめる時の熱量が大事なのかもしれません。

 長くメディアにいると、「何事もフラットに評価をしよう」と意識していまいますが、そうした“公平な”立場から一歩離れ、自身の立場を前提に、多少偏っていても「こういう使い方をする人にはベスト!」と言い切る、熱のこもった紹介が心を動かすんだなと感じました。

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