5Gの「低遅延」に注目するのは年商100億〜300億円の企業 ノークリサーチが調査:業種によって期待する活用シーンは異なる
ノークリサーチが中堅中小企業を対象に実施した5Gの活用に関する調査によると、5Gネットワークの活用意向が最も高かったのは年商100億〜300億円の企業で、低遅延という5Gの特徴を重視していた。
ノークリサーチは2019年8月21日、年商500億円未満の中堅中小企業を対象に実施した5G(第5世代移動通信システム)ネットワークの活用を訴求する際に有効と考えられるIoT(モノのインターネット)活用シーンに関する調査の結果を発表した。それによると、年商100億〜300億円の企業で5Gネットワークの活用意向が高かった。また、5Gの特徴の中で最も重視しているのは「低遅延」だった。
5Gへの期待値は年商規模に比例?
まず、IoTなど新たな機器を伴うITソリューションで導入したいネットワーク関連ニーズを尋ねたところ、5Gネットワークに該当する項目を挙げた割合は、年商5億円未満(小規模企業層)、同5億〜50億円(中小企業層)、同50億〜100億円(中堅下位企業層)、同100億〜300億円(中堅中位企業層)と、年商規模が大きくなるにつれて高くなった。
ただし、年商が最も高い300億〜500億円の中堅上位企業層では、それほど高くなかった。ノークリサーチでは、この年商帯は大企業に近いIT支出傾向を示すことが多いとしており、既にネットワーク基盤の整備が進んでいることが、5Gネットワークの活用意向がそれほど高くない原因だと分析している。
次に、「多数同時接続」「低遅延」「高速/大容量」といった5Gネットワークの特徴のうち重視する項目について聞いた。5Gの活用意向の高さや企業の支出額の大きさを考慮して、年商100億〜300億円の企業層に注目すると、「低遅延」を重視していることが分かった。これに対して年商5億円未満や同5億〜50億円の企業層は、「多数同時接続」を最も重視していた。
5Gネットワークの特徴が生きるのは、ドローンなど新たな機器を伴うもの
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