Kubernetes 1.16がリリース、CRDはGAに、WindowsではサードパーティCSIプラグインサポート:Kubernetes拡張の基盤が固まる
Kubernetesプロジェクトは2019年9月18日(米国時間)、Kubernetes 1.16をリリースした。Kubernetesの拡張メカニズムであるCRDのAPIが一般提供(GA)に到達、WindowsサポートではサードパーティCSIプラグイン対応などを強化、エンドポイントリソース管理の拡張性を増す新たなAPIが登場した。
Kubernetesプロジェクトは2019年9月18日(米国時間)、Kubernetes 1.16をリリースした。新リリースに関するブログポストによると、Kubernetesの拡張メカニズムであるCRD(Custom Resource Definitions)のAPIが一般提供(GA)に到達したことに加え、メトリックに関する大幅な修正(登録方法の変更など)、CSI(Container Storage Interface)ボリュームに関する機能強化(ボリュームサイズの変更がβに達したことなど)がテーマだとしている。
CRD APIのGA到達で、カスタムリソース活用の基盤が固まる
CRD APIのGAに際しては、APIクライアントのデータ一貫性確保に注力したという。以前はオプションであった幾つかのガードレールが必須、またはデフォルトの動作になっている。また、デフォルト設定のサポートは標準で有効になっているという。
「これらの組み合わせとCRD変換メカニズムは、時間の経過とともに進化する安定したAPIを構築するのに十分」とブログポストは説明している。
CRD APIに関しては、今後任意のサブリソース、APIグループの移行、より効率的なシリアル化プロトコルなどの機能を検討していくが、こうした機能強化はオプションとして、今回GAになったAPIを補完する役割を果たすものになるという。
エンドポイントリソースの拡張性を向上するEndpoint Sliceが登場
Kubernetes 1.16では、「EndpointSlice API」という新たなEndpoint APIが、αサポートとして提供されている。
「これまで単一のサービスのためのエンドポイントは、単一のオブジェクトに登録されていた。多数のポッドで構成されるサービスでは、このEndpointオブジェクトが非常に大きくなり、エンドポイントを1つ追加または削除するだけで、大きなコストがかかるようになる」(発表のブログポスト)
Endpoint Slice APIでは、エンドポイントを複数のEndpoint Sliceリソースに分割できるようになるという。
Windows関連ではkubeadmのαサポートなど
Windowsコンテナのサポート強化も続いている。
- Windowsコンテナがネットワークを介してIDを伝達し、他のリソースと通信するためのActive DirectoryアカウントであるActive Directory GMSA(Group Managed Service Account)のサポートがβに移行した
- コンテナのエントリポイントを実行するWindowsのWindows ID(あるいはユーザー名)を指定する文字列である「RunAsUserName」のサポートをαリリースとして追加した
- kubeadmで、Linuxノードと同様に、Windowsワーカーノードを既存のクラスタに簡単に参加(およびリセット)できるようになった
- ツリー外(サードパーティ)のCSIプラグインをαサポート、これによりKubernetesクラスタのWindowsノードが、サードパーティの永続ストレージを活用できるようになった
他の注目すべき機能として、発表ブログポストは次の点を挙げている。
- リソース割り当ての最適化を目的とした、新たなKubeletコンポーネントであるTopology Managerの提供
- IPv4/IPv6デュアルスタックにより、ポッドおよびサービスに対するIPv4アドレスとIPv6アドレスの割り当てを実現
- APIサーバネットワークプロキシをαサポート
- Cloud Controller Manager移行エクステンション
- エクステンションの/v1beta1、apps/v1beta1、apps/v1beta2 APIを1.16で廃止
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